学術サポートネットトップ > 操作/判定方法 エスプライン®インフルエンザA&B-N > よくあるご質問
- 判定ラインが薄い場合の判定は?
- 判定ラインの一部が欠けた場合や点状に発色した場合の判定は?
- レファレンスラインが赤色のままである、あるいは15分以内に青いレファレンスラインが認められない場合はどのようなことが考えられますか?
- A型とB型の両方に反応ラインが出た場合の判定は?
- 15分時点では陰性でしたが、その後判定ラインが現れてきました。
- インフルエンザの疑いがありますが、キットの判定は陰性でした。
- 発病後何日ほどで陽性を示すのですか?
- 判定部分に青色の縦スジが出ました。判定に関係するのでしょうか?
- 豚や鳥等の動物由来のインフルエンザウイルスは、エスプライン®インフルエンザA&B-Nで陽性を示すのでしょうか?
- ワクチン接種によって検査結果が陽性となることがありますか?
- A型には多種の亜型が存在しますが、見逃しはありませんか?
- 保険点数は何点ですか?
- 検査実施料は「感染症免疫学的検査『18』インフルエンザウイルス抗原精密測定」の150点です。ただし、発症後48時間以内に実施した場合に限り算定できます。また、判断料は「免疫学的検査」の144点です。なお、外来迅速検体検査加算は適用されません。
- 貯法および有効期間は?
- 1〜30℃で製造後21ヵ月です。なお反応カセット(個別包装)は用時開封とし開封後は速やかにご使用ください。またスクイズチューブは有効期間内であってもフィルム袋(5本入り)開封後12ヶ月以内にご使用ください。
- 綿棒は、キット付属品以外のものでも使用できますか?
- キット付属の紙軸綿棒HNS(鼻腔ぬぐい液用)あるいは別売の紙軸綿棒HNS・PS(咽頭ぬぐい液・鼻腔吸引液用)をご使用ください。現在、その他の綿棒によるデータはありませんので、指定の綿棒をお使いください。
- 検体に血液が混入した場合、測定結果に影響はありますか?
- 血液の混入量が多くなれば反応が阻害され偽陰性となる可能性があります。インフルエンザウイルス抗原が充分な量存在すれば、数%の血液混入は結果に影響はないと思われますが、多量の血液の混入が認められた場合は再度検体を採取して検査するようおすすめします。
- 使用できる検体の種類は?
- 鼻腔ぬぐい液、咽頭ぬぐい液、鼻腔吸引液および鼻かみ液です。うがい液、鼻腔洗浄液は使用できません。
- 試料液作製上の注意点は?
- 綿棒に吸着しているインフルエンザウイルスから、ウイルス抗原を検体処理液中で充分に抽出することが重要です。
操作法へ - 検体処理液の代わりに生理食塩水を使用できますか?
- 生理食塩水は使用できません。検体処理液には界面活性剤やタンパク質を含んでおり、ウイルスの溶解、試薬のタンパク質濃度調整、試薬の安定性などに関与していますので、必ず検体処理液を使用してください。
- 粘性の高い検体はどのように調製すればよいですか?
- スクイズチューブ中で綿球部をよく揉みほぐしてください。なお、鼻腔吸引液を検体として使用した場合、トラップ中に0.5〜1mL程度の生理食塩水を加えて希釈し、攪拌均一化させた検体で検査を行うことができます。この場合には希釈により感度が低下しますのでご注意ください。
- 滴下数を所定の2滴でなく、1滴または3滴以上滴下した場合はどうなりますか?
- 1滴の場合には試料液中のインフルエンザウイルス抗原量が少なくなるため偽陰性となる可能性があります。また、試料液量も不足するため縦スジも発生しやすくなります。
一方、3滴以上の場合は所定量よりも試料液量が多くなることで、試薬の反応濃度が低くなり偽陰性となる可能性があります。所定の2滴で再検査してください。 - 反応停止液の役割は?
- エスプライン®インフルエンザA&B-Nの反応原理である酵素免疫測定法(EIA法)は時間経過とともに反応が進行するため、所定の判定時間15分以降ではメンブレン全体が青色に着色する場合や判定部にライン状の発色が現れる場合があります。そのため、15分時点で反応を停止させる反応停止液を用います。なお、反応停止液滴下後はラインが退色する可能性がありますので、2時間以内に判定してください。
- 判定ラインが薄い場合の判定は?
- ウイルス量が少ない場合には判定ラインが薄くなります。判定ラインが薄くても、レファレンスラインが認められれば陽性と判定してください。
- 判定ラインの一部が欠けた場合や点状に発色した場合の判定は?
- 判定ラインの一部が欠けた場合には陽性と判定してください。また、点状発色の場合には陰性と判定してください。
- レファレンスラインが赤色のままである、あるいは15分以内に青いレファレンスラインが認められない場合はどのようなことが考えられますか?
- 試料液が検体滴下部に溜まった場合や、測定操作が不適当であった場合など反応が成立しなかった可能性があります。新しい反応カセットで再検査してください。その際、試料液に粘性がある場合にはスクイズチューブの中でよく揉みほぐしてください。
- A型とB型の両方に反応ラインが出た場合の判定は?
- A型とB型が両方流行しているシーズンにおいては、A・B型の重複感染がありえるため、A・Bの両方に判定ラインが出現することがあります。しかし通常はA型とB型の重複感染は希であり、A・Bの両方に判定ラインが出現した場合には偽陽性の可能性がありますので、念のため再度検体を採取し直して検査してください。また、流行状況、臨床症状や他の検査法(PCR法など)の結果から総合的に判断してください。
- 15分時点では陰性でしたが、その後判定ラインが現れてきました。
- レファレンスラインを確認し、15分時点で判定してください。15分以降に出現した判定ラインは微量なウイルスを検出している場合もありますが、ウイルスの存在とは無関係に青色の発色を呈する可能性があります。
- インフルエンザの疑いがありますが、キットの判定は陰性でした。
- 発症後間もない時期ではインフルエンザウイルス量が充分増えておらず、陰性となる場合があります。また、検体採取の際にインフルエンザウイルスが綿棒に充分量吸着しなかった場合にも陰性となります。流行状況や臨床症状などから総合的に判断 し、適宜、再度検体を採取して検査してください。
- 発病後何日ほどで陽性を示すのですか?
- A型においては発病当日でウイルス分離に対して75〜100%の陽性率を示したデータがあります。ただし、患者さんによって また 検体採取方法などによって一定ではありません。
- 判定部分に青色の縦スジが出ました。判定に関係するのでしょうか?
- 縦スジは判定に関係ありません。ただし、試料液の滴下量が少なかった場合には、著しい縦スジで判定が困難になる場合や縦スジを伴ってレファレンスラインの中央部が発色しない場合があります。このような場合には所定の2滴(30μL)で再検査してください。
- 豚や鳥等の動物由来のインフルエンザウイルスは、エスプライン®インフルエンザA&B-Nで陽性を示すのでしょうか?
- 山口県で分離された高病原性トリインフルエンザウイルスA/Chicken/Yamaguchi/7/2004(H5N1)、タイで分離された高病原性トリインフルエンザウイルスH5N1亜型5株、
および香港でヒトから分離された高病原性トリインフルエンザウイルスH5N1亜型2株等についてA型陽性を呈することを確認しています。
また、A/Swine/Iowa/15/30(H1N1)他、豚から分離されたインフルエンザウイルス株8種についてもA型陽性を呈することを確認しています。(北海道大学大学院獣医学研究科 微生物学教室 喜田教授データ)
詳細はエスプライン®インフルエンザA&B-Nにおける動物由来インフルエンザウイルスの反応性(実験データ)を参照ください。
なお、本キットの判定においてA型陽性を示しただけでは、インフルエンザ感染の確定ならびにヒトインフルエンザなのか動物由来インフルエンザなのかを区別することは出来ません。
エスプライン®インフルエンザA&B-Nはヒトの体外診断用医薬品ですのでヒト以外の検体での測定を行うことはキット性能保証上の対象外となります。 - ワクチン接種によって検査結果が陽性となることがありますか?
- ワクチンはインフルエンザウイルス表面にある赤血球凝集素(HA)を成分にしたものです。本製品はインフルエンザウイルスの核タンパク質を検出しますので、ワクチン接種による影響はないと思われます。ただし、ワクチンを接種していても、インフルエンザに罹患した場合には検査結果は陽性となります。
- A型には多種の亜型が存在しますが、見逃しはありませんか?
- エスプライン®インフルエンザA&B-Nはインフルエンザウイルスの核タンパク質の共通抗原を認識していますので、理論上検出できます。