東京電力福島第一原子力発電所周辺の環境調査で、29日、2号機の取水口付近で採取した海水の放射性ヨウ素の濃度は、国の基準の530倍と前の日よりもやや下がりました。
東京電力によりますと、福島第一原発の2号機の取水口付近で、29日に採取した海水に含まれる放射性物質の濃度は、ヨウ素131が1cc当たり21ベクレルと国の基準の530倍で、低下傾向から再び上昇に転じた前の日よりもやや下がりました。2号機の取水口付近は、先月2日に高濃度の汚染水が流れ込んでいることが分かった場所で、調査の初日には、基準の750万倍の放射性ヨウ素が検出されています。東京電力は「28日に2号機の取水口付近で、放射性ヨウ素の濃度が上昇した原因はまだよく分かっていない。雨で放射性物質が原発の敷地から流れ出したとも考えられるが、引き続き、注意深く監視するとともに、汚染された水が漏れないよう対策を進めていきたい」としています。一方、3号機の取水口付近で29日採取した海水では、セシウム134が基準の95倍、セシウム137が基準の69倍と、いずれも前の日をやや上回りました。また、沿岸の4か所の調査ポイントのうち、5号機と6号機の放水口から北側におよそ30メートル付近で1.3倍など、3か所で基準を上回る放射性セシウムが検出されました。福島県の沖合での調査は、悪天候のため見合わせとなりました。