米国がプルトニウムを使った核兵器の性能を調べる新たな実験をしたことを受け、被爆者らでつくる市民団体「核実験に抗議する長崎市民の会」(谷口稜曄会長)は29日、長崎市松山町の平和公園で雨が降る中、抗議の座り込みをした。
約40人が参加し「核実験を直ちに中止させましょう」と書かれた横断幕を掲げ、平和祈念像前で約1時間訴えた。1974年のインド核実験以降、核保有国が実験をするたびに続けており、今回で389回目。
抗議文では「他国には核開発や核保有の放棄を迫りながら、自国の開発を続ける姿勢はあまりに身勝手」として米国に今後全ての核実験計画の放棄を求めている。近く、アメリカ大使館あてに送るという。
米ニューヨークから観光で長崎を訪れたロベルト・ムラーさん(24)は「私の実家の近くにも原発があり、東日本大震災による福島の原発や長崎の原爆問題は人ごとだとは思えない。私たちも核実験を中止させる努力が必要だ」と話した。
=2011/05/30付 西日本新聞朝刊=