韓日図書協定が参院で可決、今秋にも引き渡しへ

 日本が植民地時代、朝鮮総督府を通じて持ち去った書物を韓国へ引き渡すという内容の韓日図書協定が参議院で可決され、「朝鮮王室儀軌(ぎき)」(朝鮮王朝時代、王室や国家の重要な行事の内容を絵と文章で整理した書物)などの重要な書物1205冊が引き渡される見通しとなった。

 参議院は27日の本会議で、韓日図書協定の批准案について、賛成145票、反対86票の賛成多数により可決した。自民党は「韓国にある日本の古文書の返還を要求することや、フランスのように長期間の貸与という方式を取ることを検討すべきだ」として批准案に反対したが、民主党や公明党、社民党などが賛成し可決に至った。これにより、同協定の批准に必要な手続きは事実上全て終えたことになる。

 同協定の批准により、対象となる書物は6カ月以内に引き渡される。引き渡しの時期について、共同通信は「今秋に予定されている李明博(イ・ミョンバク)大統領の訪日に合わせることになる見通しだ」と報じた。また、8月15日の光復節(日本の植民地支配からの解放を記念する日)に合わせて引き渡されるのではないかとの見方も出ている。朝鮮王室儀軌などの書物の引き渡しは、菅直人首相が昨年8月10日、日本による韓国併合から100年を迎えるに当たって発表した談話で約束したが、自民党の反対により、協定の批准に向けた手続きが遅れていた。なお、衆議院は先月28日、図書協定批准案を賛成多数により可決していた。

東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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