中国・内モンゴルの反政府デモ、装甲車で封鎖

 石炭採掘による環境汚染や草原破壊に抗議中、モンゴル族の遊牧民が石炭トラックにひかれ死亡した事件をきっかけとして、中国・内モンゴル自治区では漢族とモンゴル族の対立が高まり、30日にも散発的なデモが続いた。

 モンゴル族住民は同日、フフホト、シリンホト、通遼など自治区内の主要都市で大規模デモを計画していたが、公安当局による封鎖で決行できなかった。

 英BBC放送の中国語サイトによると、中国当局は同日、フフホト市の内モンゴル自治区政府庁舎と新華広場、如意広場などに武装警察や装甲車を展開し、デモを阻止したという。

 中国当局は、デモ予定地に武装警察を展開したほか、これまで遊牧民死亡や集会呼び掛けの情報伝達ルートとなっていたインターネットに対する徹底した検閲を実施した。今回の事態に関連する文章、動画、メディア報道などが一斉に削除され、検索もできなくなった。フフホト市の民族大学などモンゴル族住民が通う学校では、モンゴル族学生の外出が禁止され、宿舎内ではインターネットが使えなくなった。

 今回の騒動の余波は海外にも広がっている。米国を拠点とする反中団体、南内モンゴル人権情報センターは、今回の事件に抗議し、海外に住むモンゴル人が主要国の中国大使館でデモを行う見通しだと説明した。

 一方、現地住民によると、内モンゴル自治区政府は、事態収拾に向け、主要都市住民に今回の事態の経緯と収拾策を盛り込んだ携帯メールを発信しているという。少数民族住民は「自治区政府のメールには、遊牧民をひいた石炭トラックの運転手2人の厳正な司法処理と遺族に対する補償、保護、石炭採掘環境の改善方針などの内容が含まれていた」と話した。

 現地紙によると、27日には内モンゴル自治区政府の胡春華・共産党委書記が事件の起きたシリンゴル盟西ウジムチン旗を直接訪れ、現地の学校でモンゴル族の教師、学生らと懇談会を開き、事件に対する厳しい処理を約束したという。

北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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