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放射性物質:山の残雪からもセシウム検出 福島・民間調べ

 山岳愛好家らで作る「高山(たかやま)の原生林を守る会」は29日、福島市周辺の山岳地帯から採取した雪の放射線量分析結果を公表した。標高1500メートル以下を中心に高濃度の放射性セシウムが検出され、最高は箕輪山東斜面の1338メートル地点で1キロ当たり2968ベクレルだった。市内の阿武隈川のヤマメなど川魚からは国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を上回るセシウムが検出され、雪解け水の流入が原因とみられるという。

 4月17日~5月5日に31地点で採取し、東大アイソトープ総合センターで分析した。箕輪山では1146メートル地点の雪でも1734ベクレルを検出。山頂西側地点では185ベクレルだった。

 このほか、和尚山東斜面(1000メートル)1180ベクレル▽安達太良山東斜面(1530メートル)775ベクレル▽東吾妻山山頂東側(1964メートル)406ベクレル--など。

 福島大の予測では、福島第1原発3号機で水素爆発があった翌日の3月15日、福島市の上空1500メートル付近に飛散してきた放射性物質が雨で地上に落ちたとみられており、今回の調査結果は予測を裏付ける結果となった。

 同会の佐藤守代表は「広い範囲の雪解け水が河川や沼に流れ込み、放射性物質が濃縮されている恐れがある。水質や水生生物の詳細な調査が必要だ」と指摘した。【関雄輔】

毎日新聞 2011年5月29日 20時46分(最終更新 5月29日 21時33分)

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