ドイツで病原性大腸菌による食中毒が広がり、死亡した人は14人に増えたほか、感染または感染した疑いがある人が1400人以上に達しています。
ドイツの2つの州の保健当局によりますと、病原性大腸菌に感染したとみられる75歳の男性と40歳代の女性が30日、腎臓の機能が低下する溶血性尿毒症症候群を発症し死亡しました。これで病原性大腸菌に感染または感染した疑いで死亡した人は、ドイツ北部を中心に14人となりました。患者数は1400人以上に達し、このうち350人余りが重症だということです。感染の原因を巡っては、ハンブルクの保健当局が先週、スペイン産のきゅうりから病原性大腸菌が検出されたと発表し、スペイン政府が反発しています。ドイツ政府は30日、感染原因はまだ特定できていないとして、患者からの聞き取り調査を進めるなど感染経路の特定を急ぐ方針を示しました。病原性大腸菌はスウェーデンで36人に感染の疑いが見つかったほか、イギリスやオランダなどでも報告され、いずれもドイツを旅行した人たちが感染したとみられています。感染が拡大するなか、ロシア政府は30日、ドイツとスペインからの野菜の輸入を全面的に禁止すると発表し、影響が広がり始めています。