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【芸能・社会】

不明の「広島大仏」奈良の寺に 半世紀前、原爆犠牲者弔う

2011年5月30日 21時12分

 行方が分からなくなっていた「広島大仏」とみられる阿弥陀如来坐像=30日午後、奈良県安堵町の極楽寺

写真

 奈良県安堵町の極楽寺にある阿弥陀如来坐像が、戦後に広島の原爆犠牲者を弔おうと原爆ドーム近くの寺に安置され、その後、約50年にわたって行方が分からなくなっていた「広島大仏」とみられることが30日、分かった。田中全義住職(25)は「ずっと広島の人を見守ってきたはず」と話し、原爆が投下された8月6日に写真を持って広島を訪ねる。

 大仏は全身に金箔を施した木製で、高さ4メートル。広島の原爆資料館によると、1950年、別の寺から原爆ドーム近くの西蓮寺に移され、人々の心のよりどころになっていたが、55年に別の寺に移された後、所在が分からなくなっていた。

 極楽寺に田中住職が来たのは約5年前。その際、祖父の知り合いだった古物商から譲り受けたのがこの大仏だった。祖父からは「広島の大仏」とだけ聞かされていた。

 その後、古書店で「大仏さんも体験した原爆被害を知りたい」と開いた「ヒロシマの記録」(中国新聞社)という本の中に表情が似た大仏の写真を見つけ、奈良国立博物館の専門家に確認を依頼。顔の特徴などからお墨付きをもらったという。

 田中住職は「震災で大変な時期に今回のことが分かったのも何かの縁。多くの人のよりどころになればうれしい」と話している。

(共同)
 

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