政治

文字サイズ変更

内閣不信任案:自公で早期提出論に勢い 民主党内混乱狙い

 自民、公明両党内で内閣不信任決議案の早期提出論が勢いを増している。自民党内では6月6日にも提出すべきだとの声が強まっている。早期に提出することで、29日の菅直人首相の帰国を受けて民主党執行部が党内の引き締めを強めることに対抗し、民主党内の混乱を誘う狙いだ。自民党の谷垣禎一総裁は6月1日の党首討論などを踏まえ、提出時期を最終判断する。

 同党の逢沢一郎国対委員長は29日、NHKの番組で「最終的に総裁が総裁として判断する。今週かもしれないし、次の週かもしれない」と述べ、提出時期が近づいていることを示唆。そのうえで「菅政権ができて1年になる。消費税問題で参院選がああいう(民主党敗北の)結果になり、中国漁船衝突問題、菅首相の外国人献金(問題)も取りざたされた。原発の対応、被災地への対応、首相には任せられないとの国民の声が沸騰している」と不信任の理由を列挙した。

 別の同党幹部は衆院本会議定例日の6月2日か3日に提出する可能性に言及した。社民党を除く野党は不信任案に賛成する方針で、公明党の漆原良夫国対委員長は同じNHKの番組で「できるなら自民党は早い時期に出した方がいい。われわれは賛同する」と後押しした。

 ただ、3日には参院予算委員会で集中審議が予定されており、参院自民党は週内提出に難色を示している。31日には復興基本法案の与野党修正協議も始まるため、週内の提出は難しいとの見方が自民党内からは出ている。

 早期提出の動きに民主党の安住淳国対委員長はNHKの番組で「粛々と憲政の常道に従って否決する自信がある」と強調。「否決されれば信任されたということなので、(野党は)重要法案成立に協力してほしい」とけん制した。【吉永康朗、横田愛】

毎日新聞 2011年5月29日 20時02分

 

おすすめ情報

注目ブランド

毎日jp共同企画