トップ :: C 化学 冶金 :: C09 染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用

【発明の名称】 万年筆型筆記具用水性インキ組成物
【発明者】 【氏名】小崎 邦雄
【課題】キャップをはずした状態で長期間放置してもかすれ等の筆記不良を起こさず、良好な筆跡が得られる万年筆型筆記具用水性インキ組成物を提供する。

【解決手段】0.1乃至7重量%の着色剤と、75乃至90重量%の水と、9乃至24重量%の保湿性有機溶剤(但し、20℃における表面張力が40mN/m以上であり、粘度が25mPa・sec以下であり、蒸気圧が1mmHg以下を示す有機溶剤から選ばれる)とから少なくともなり、20℃における粘度が2mPa・s以下を示し、且つ、水の蒸発により前記保湿性有機溶剤のインキ組成物中における重量%が、残存する水と略同重量%となった際のインキ粘度が5.5mPa・sec以下である万年筆型の筆記具に充填されるインキ組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軸筒内のインキを導出させるインキ誘導芯の先端部を囲み、筆記先端で交わる3本以上のスリットを軸線方向に設けたペン先部材を装着して筆記可能に構成した万年筆型筆記具に内蔵される水性インキ組成物であって、前記インキ組成物は0.1乃至7重量%の着色剤と、75乃至90重量%の水と、9乃至24重量%の保湿性有機溶剤(但し、20℃における表面張力が40mN/m以上であり、粘度が25mPa・s以下であり、蒸気圧が1mmHg以下を示す有機溶剤から選ばれる)とから少なくともなり、20℃における粘度が2mPa・s以下を示し、且つ、水の蒸発により前記保湿性有機溶剤のインキ組成物中における重量%が、残存する水と略同重量%となった際のインキ粘度が5.5mPa・s以下であることを特徴とする万年筆型筆記具用水性インキ組成物。
【請求項2】 前記保湿性有機溶剤がエチレングリコールである請求項1記載の万年筆型筆記具用水性インキ組成物。
【請求項3】 前記保湿性有機溶剤はエチレングリコールを主有機溶剤としてなり、2−ピロリドン及び/又はジメチルスルホキシドを併用してなる請求項2記載の万年筆型筆記具用水性インキ組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は万年筆型筆記具用水性インキ組成物に関する。更に詳細には、インキ誘導芯の先端部を囲み筆記先端で交わる3本以上のスリットを軸線方向に設けたペン先部材を装着させた万年筆型筆記具に充填して用いられる水性インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、先細形状の板片に軸線方向のスリットを設けた万年筆型ペン先を用いた万年筆型のマーキングペンが開示されているが、マーキングペンとしては使い勝手を満足させていなかった。前記した問題を解消するために先細状の筒体に軸線方向のスリットを設けて方向性を少なくしたペン先部材を備えた万年筆型の筆記具に関する提案が開示されている(実開昭60−91469号公報、特開平10−35173号公報等)。前記構成のペン先部材はインキ出を良好にするため軸筒内のインキと連通し、該インキを導出する誘導芯をペン先部材のスリットに密接配置してなる。よって、前記誘導芯から導出されてスリットに溜まったインキは外気に曝されて乾燥し易いうえ、誘導芯中のインキも乾燥し易く、キャップをはずした状態で放置するとインキ組成物中の水分が蒸発して不揮発性溶剤や着色剤等の濃度が高くなり、インキ粘度が上昇して良好に吐出されず筆跡がかすれたり筆記不能になり易い。そのため、インキ組成物中に保湿性有機溶剤を少量添加して短期間での粘度上昇を抑制して耐乾燥性を満足させることは可能であるとしても、長期間放置すると水の蒸発が著しく、筆跡がかすれたり筆記不能になる。前記現象はキャップを嵌めて放置すると再び筆記可能になるが、有効筆記距離が短くなる不具合を生じる。また、保湿性有機溶剤を多量に添加して水分の蒸発を抑制することは可能であるが、前記保湿性有機溶剤自体の粘度が高いものが多く、筆記先端部が短時間露出して僅かな水分の蒸発によってもインキ粘度の上昇が著しく、筆跡がかすれたり筆記不能になり易くなる。従って、前記万年筆型の筆記具に充填される耐乾燥性を満足したインキ組成物は得られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記した万年筆型の筆記具に好適に用いられる水性インキ組成物であって、キャップをはずした状態で長期間放置してもかすれ等の筆記不良を起こさない万年筆型筆記具用水性インキ組成物を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、初期のインキ粘度を2mPa・s(20℃)以下に調整することにより、筆記先端部から良好なインキ出を可能とならしめ、更に、キャップを外した状態で放置しても満足する筆記距離が得られると共に、インキ組成物中における有機溶剤の濃度が上昇して過度の粘度上昇を生じたり、水分の蒸発により相対固形分濃度が上昇して着色剤等の固形分がインキ誘導芯内で目詰まりを生じて筆記不能になることのないインキ組成物について鋭意検討した結果、20℃における表面張力が40mN/m以上であり、粘度が25mPa・s以下であり、蒸気圧が1mmHg以下を示す保湿性有機溶剤を所定量含有し、水分の蒸発により前記保湿性有機溶剤と、残存する水が略同重量%となった際のインキ組成物の粘度が5.5mPa・s以下を示せば効果的なことを見出した。
【0005】即ち、本発明は、軸筒内のインキを導出させるインキ誘導芯の先端部を囲み、筆記先端で交わる3本以上のスリットを軸線方向に設けたペン先部材を装着して筆記可能に構成した万年筆型筆記具に内蔵される水性インキ組成物であって、前記インキ組成物は0.1乃至7重量%の着色剤と、75乃至90重量%の水と、9乃至24重量%の保湿性有機溶剤(但し、20℃における表面張力が40mN/m以上であり、粘度が25mPa・s以下であり、蒸気圧が1mmHg以下を示す有機溶剤から選ばれる)とから少なくともなり、20℃における粘度が2mPa・s以下を示し、且つ、水の蒸発により前記保湿性有機溶剤のインキ組成物中における重量%が、残存する水と略同重量%となった際のインキ粘度が5.5mPa・s以下である万年筆型筆記具用水性インキ組成物を要件とする。更には、前記保湿性有機溶剤がエチレングリコールであること、前記保湿性有機溶剤がエチレングリコールを主有機溶剤としてなり、2−ピロリドン及び/又はジメチルスルホキシドを併用してなること等を要件とする。
【0006】前記インキ組成物は初期のインキ粘度が4mPa・s以下であれば通常の筆記速度で筆記してもかすれることのない組成物が得られるが、2mPa・s以下に調整することにより初期筆記時のインキ追従性に優れ、過度の筆圧を加えることなく良好な筆跡を描くことができると共に、筆記速度を速めてもインキが追従する組成物が得られる。
【0007】また、本発明は、キャップを外した状態で経時によって水分が筆記先端部から多量に蒸発してインキ組成物中における保湿性有機溶剤が水と略同重量%となったとしてもインキ粘度が上昇し難いインキ組成物である。前述したように、筆記先端部が外部に露出した状態で数時間放置しても良好に筆記できるようにするためには、保湿性有機溶剤を少量添加することにより解消されるが、それ以上の期間、例えば数日間放置すると水分の蒸発により筆跡がかすれたり筆記不能になる。この状態でキャップを嵌めて放置すると再び筆記可能になるが、筆記距離が短くなる。また、多量の保湿性有機溶剤を添加すると初期の粘度が高くなり少量の水分が蒸発してもインキ組成物は高粘度化してインキの目詰まりを生じ易くなる。そこで、本発明は20℃における表面張力が40mN/m以上であり、粘度が25mPa・s以下であり、蒸気圧が1mmHg以下を示す保湿性有機溶剤をインキ組成物中9〜24重量%配合することによって、初期及び長期間の耐乾燥性と有効筆記距離を満足するインキ組成物を得ることにある。前記保湿性有機溶剤はインキ誘導芯を通して軸筒内のインキから水分が供給されるため、かなりの期間は略同重量%程度の水分を保つことができる。従って、筆記先端部でインキ組成物から水分が蒸発しても、少なくとも前記有機溶剤と略同重量%の水分が残存した際のインキ粘度が5.5mPa・s以下を示せば、長期間の耐乾燥性を満足させ、しかも良好な筆跡が得られる。筆記先端部のインキが高い粘度を示しても書き出しを始めるとインキ誘導芯を介して低粘度のインキが供給されるため、先端部のインキ粘度は徐々に低下する。インキ粘度が5.5mPa・sを越える配合組成ではペン先片の間隙からインキが吐出し難くなり、書き出しを始めた時点で筆跡がかすれる。また、この状態で良好な筆跡を得ようとして筆記荷重を加え過ぎると、ペン先が湾曲して筆跡幅が一定にならなくなったり、破損の恐れがある。
【0008】前記保湿性有機溶剤は、好適にはエチレングリコールが用いられ、更にエチレングリコールを単独で用いる他、主溶剤としてエチレングリコールを用い、2−ピロリドンやジメチルスルホキシドを併用することもできる。その他従来汎用の保湿性有機溶剤を、適正インキ粘度を損なわない範疇で添加することもでき、グリセリン、トリエタノールアミン、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、チオジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオプレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等が挙げられる。また、以下の有機溶剤を少量添加することもでき、エタノール、プロパノール、ブタノール、ソルビトール、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
【0009】前記着色剤としては、染料又は顔料が用いられ、好適には染料が用いられる。前記染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料を使用することができる。酸性染料としては、ニューコクシン(C.I.16255)、タートラジン(C.I.19140)、アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、ギニアグリーン(C.I.42085)、ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、アシッドバイオレット6BN(C.I.43525)、ソルブルブルー(C.I.42755)、ナフタレングリーン(C.I.44025)、エオシン(C.I.45380)、フロキシン(C.I.45410)、エリスロシン(C.I.45430)、ニグロシン(C.I.50420)、アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
【0010】塩基性染料としては、クリソイジン(C.I.11270)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、ローダミンB(C.I.45170)、アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
【0011】直接染料としては、コンゴーレッド(C.I.22120)
ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)
バイオレットBB(C.I.27905)
ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)
カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)
ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)
フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
【0012】前記顔料としては、カーボンブラック、群青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機顔料の他、既に界面活性剤を用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等が用いられ、例えば、C.I.Pigment 15:3B〔品名:サンダイスーパー BlueGLL、顔料分24%、山陽色素株式会社製〕
C.I. Pigment Red 146〔品名:サンダイスーパー Pink FBL、顔料分21.5%、山陽色素株式会社製〕
C.I.Pigment Yellow 81〔品名:TC YellowFG、顔料分約30%、大日精化工業株式会社製〕
蛍光顔料としては、各種蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。その他、パール顔料、金色、銀色のメタリック顔料、蓄光性顔料、修正ペンに用いる二酸化チタン等の白色顔料、アルミニウム等の金属粉、香料又は香料カプセル顔料などを例示できる。
【0013】前記着色剤は一種又は二種以上を適宜混合して使用することができ、インキ組成中0.1乃至7重量%、好ましくは0.3乃至4重量%の範囲で用いられる。
【0014】その他、必要に応じて水溶性樹脂、pH調整剤、防錆剤、防腐剤或いは防黴剤潤滑剤等を前記粘度範囲内で添加することができる。前記水溶性樹脂としては、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルローズ誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリンが挙げられる。前記pH調整剤としては、アンモニア、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、ジエタノールアミンやトリエタノールアミン等の水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等が挙げられる。前記防錆剤としては、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、チオ硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、サポニン、ジアルキルチオ尿素等が挙げられる。前記防腐剤或いは防黴剤としては、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等が挙げられる。前記潤滑剤としては、金属石鹸、ポリアルキレングリコール、脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、燐酸系活性剤、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩等が挙げられる。その他、溶剤の浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン、アニオン、カチオン系界面活性剤、ジメチルポリシロキサン等の消泡剤を添加することもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の万年筆型筆記具用水性インキ組成物は、水と保湿性有機溶剤からなるビヒクル中に、着色剤、添加剤が配合される場合には適宜添加剤を投入し、必要により加温して攪拌し、溶解又は分散することにより調製され、万年筆形態の筆記具に充填して使用される。
【0016】
【実施例】実施例1乃至3及び比較例1乃至5で作成した万年筆型筆記具用水性インキ組成物の配合を以下に示す。尚、配合量の数値は重量部を示し、インキ粘度は20℃においてEL型粘度計(東京計器製)を用いて測定した。
【0017】
実施例1 青色染料(C.I.ダイレクトブルー87) 1.0 エチレングリコール 12.0 リン酸エステル系界面活性剤 0.1 〔潤滑剤、商品名:プライサーフAL、第一工業製薬(株)製〕
トリエタノールアミン(PH調製剤) 0.2 1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン溶液 0.3 〔防腐剤〔商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ(株)製〕
石炭酸 0.3 水 86.1前記インキ組成物の初期の粘度は1.5mPa・sを示した。また、前記インキ組成物から水を74.1重量%蒸発させた際の粘度は4.7mPa・sを示した。
【0018】
実施例2 赤色染料(C.I.アシッドレッド73) 1.0 エチレングリコール 12.0 グリセリン 3.0 リン酸エステル系界面活性剤 0.1 〔潤滑剤、商品名:プライサーフAL、第一工業製薬(株)製〕
トリエタノールアミン(PH調製剤) 0.2 1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン溶液 0.3 〔防腐剤〔商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ(株)製〕
石炭酸 0.3 水 83.1前記インキ組成物の初期の粘度は1.65mPa・sを示した。また、前記インキ組成物から水を68.1重量%蒸発させた際の粘度は5.0mPa・sを示した。
【0019】
実施例3 青色染料(C.I.ダイレクトブルー87) 1.0 エチレングリコール 18.0 リン酸エステル系界面活性剤 0.1 〔潤滑剤、商品名:プライサーフAL、第一工業製薬(株)製〕
トリエタノールアミン(PH調製剤) 0.2 1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン溶液 0.3 〔防腐剤〔商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ(株)製〕
石炭酸 0.3 水 80.1前記インキ組成物の初期の粘度は1.75mPa・sを示した。また、前記インキ組成物から水を62.1重量%蒸発させた際の粘度は4.5mPa・sを示した。
【0020】
比較例1 青色染料(C.I.ダイレクトブルー87) 1.0 エチレングリコール 3.0 リン酸エステル系界面活性剤 0.1 〔潤滑剤、商品名:プライサーフAL、第一工業製薬(株)製〕
トリエタノールアミン(PH調製剤) 0.2 1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン溶液 0.3 〔防腐剤〔商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ(株)製〕
石炭酸 0.3 水 95.1前記インキ組成物の初期の粘度は1.3mPa・sを示した。また、前記インキ組成物から水を92.1重量%蒸発させた際の粘度は8.1mPa・sを示した。
【0021】
比較例2 青色染料(C.I.ダイレクトブルー87) 1.0 エチレングリコール 5.0 グリセリン 1.0 リン酸エステル系界面活性剤 0.1 〔潤滑剤、商品名:プライサーフAL、第一工業製薬(株)製〕
トリエタノールアミン(PH調製剤) 0.2 1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン溶液 0.3 〔防腐剤〔商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ(株)製〕
石炭酸 0.3 水 92.1前記インキ組成物の初期の粘度は1.3mPa・sを示した。また、前記インキ組成物から水を86.1重量%蒸発させた際の粘度は6.3mPa・sを示した。
【0022】
比較例3 青色染料(C.I.ダイレクトブルー87) 4.0 エチレングリコール 12.0 リン酸エステル系界面活性剤 0.1 〔潤滑剤、商品名:プライサーフAL、第一工業製薬(株)製〕
トリエタノールアミン(PH調製剤) 0.2 1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン溶液 0.3 〔防腐剤〔商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ(株)製〕
石炭酸 0.3 水 83.1前記インキ組成物の初期の粘度は1.75mPa・sを示した。また、前記インキ組成物から水を71.1重量%蒸発させた際の粘度は6.4mPa・sを示した。
【0023】
比較例4 青色染料(C.I.ダイレクトブルー87) 1.0 エチレングリコール 6.0 グリセリン 6.0 リン酸エステル系界面活性剤 0.1 〔潤滑剤、商品名:プライサーフAL、第一工業製薬(株)製〕
トリエタノールアミン(PH調製剤) 0.2 1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン溶液 0.3 〔防腐剤〔商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ(株)製〕
石炭酸 0.3 水 86.1前記インキ組成物の初期の粘度は1.5mPa・sを示した。また、前記インキ組成物から水を74.1重量%蒸発させた際の粘度は6.0mPa・sを示した。
【0024】
比較例5 赤色染料(C.I.アシッドレッド73) 1.0 エチレングリコール 6.0 グリセリン 12.0 リン酸エステル系界面活性剤 0.1 〔潤滑剤、商品名:プライサーフAL、第一工業製薬(株)製〕
トリエタノールアミン(PH調製剤) 0.2 1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン溶液 0.3 〔防腐剤〔商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ(株)製〕
石炭酸 0.3 水 80.1前記インキ組成物の初期の粘度は1.85mPa・sを示した。また、前記インキ組成物から水を62.1重量%蒸発させた際の粘度は6.2mPa・sを示した。
【0025】前記実施例及び比較例で作成したンキ組成物を、軸筒内に繊維束インキ吸蔵体を収容し、軸筒後端部に尾栓を嵌着してなり、前記軸筒の先端部に軸筒内のインキを導出させるインキ誘導芯の先端部を囲み、筆記先端で交わる3本以上のスリットを軸線方向に設けたペン先部材を装着させた万年筆型筆記具に充填し、各6本ずつ作成した。
【0026】耐乾燥性試験前記各々の万年筆型筆記具のキャップを外した状態で、25℃、湿度65%の条件下で15時間、2日間放置した後、紙面に筆記して筆跡を目視により観察した。その結果を表に示す。
【0027】
【表1】

【0028】尚、表中の判定結果を以下に示す。
耐乾燥性試験○:初期と同様の良好な筆跡が得られる。
△:15時間放置した状態では良好な筆跡が得られるが、2日間放置すると筆跡がかすれる。
▲:15時間放置した時点で筆跡がかすれ、2日後も筆跡がかすれた状態を示す。
×:15時間放置した時点で筆跡がかすれ、2日間放置すると筆記不能になる。
【0029】
【発明の効果】前記筆記試験結果にみられるとおり、本発明はインキ組成物中の水分が蒸発し易い万年筆型の筆記具に充填し、キャップをはずした状態で長期間放置してもかすれ等の筆記不良を起こさず、良好な筆跡が得られる万年筆型筆記具用水性インキ組成物を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000111890
【氏名又は名称】パイロットインキ株式会社
【出願日】 平成11年4月30日(1999.4.30)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−313836(P2000−313836A)
【公開日】 平成12年11月14日(2000.11.14)
【出願番号】 特願平11−123459