カブール(CNN) アフガニスタンに展開する国際治安支援部隊(ISAF)は29日、同国南部の空爆で民間人9人が死亡したと発表し、謝罪した。
ISAF司令官のジョン・トゥーラン少将は「犠牲者の家族と友人に心から謝罪する」「敵によってもたらされる無意味な死を食い止めるため、アフガンの人々には今後も治安部隊を信頼し、支援してほしい」との談話を発表した。
これに先立ち同国と北大西洋条約機構(NATO)の当局者は、28日にヘルマンド州の空爆で子ども十数人と女性2人が死亡したと述べていた。トゥーラン少将が発表した数字との食い違いの理由は明らかになっていない。
アフガニスタンのカルザイ大統領は誤爆を強く非難し、国民を代表して米軍と政府に最後の警告を発すると述べた。犠牲者の数については子ども10人、女性2人、男性2人だったとした。
トゥーラン少将は誤爆の背景として、ISAFの部隊がヘルマンド州で攻撃を受け、米海兵隊員1人が死亡したと説明。武装勢力の5人が建物の中に移動してそこから攻撃を続けたため、この建物の空爆を命じたとしている。
ISAFの報道官は先に住民の証言として、ISAFのヘリコプターが女性や子どものいる民家2軒を空爆したと述べていた。これについてトゥーラン少将は「武装勢力が意図的に占拠した建物が民間人の住宅だったことが後に判明した」と説明している。遺族にはアフガンの文化に従って償いをする意向だという。
パキスタンと国境を接するヘルマンド州には反政府武装勢力タリバーンの拠点があり、今月に入って戦闘が激化している。両国では誤爆による民間人の犠牲者が相次ぎ、国際部隊に対する怒りが強まっている。