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供応買収容疑の深谷市議、処分保留で釈放 捜査は継続へ

2011年5月27日23時37分

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 飲食接待をしたとして埼玉県深谷市議らが公職選挙法違反(供応買収)容疑で埼玉県警に逮捕された事件で、さいたま地検は27日午後、永田勝彦市議(67)ら2人を処分保留のまま釈放した。しかし、捜査は終結しておらず、今後も継続させることを明らかにした。

 捜査当局はこれまでの捜査で、関係者の証言は一様に口裏合わせされたものとみている。しかし、28日の勾留期限が目前に迫っているため、改めて押収した資料や証言の分析には時間が必要と判断し、期限より1日前倒しして釈放したとみられる。

 この事件では、県警の取り調べを受けた複数の有権者が「連日朝から夜まで取り調べが続き、虚偽の証言を強要された」と主張。弁護士を通じて、県警に抗議文を提出していた。

 県警によると、2人の逮捕容疑は2月中旬、同市の飲食店で有権者二十数人に総額十数万円の飲食接待をしたというもの。1人あたりの会費は「3千円」とされたが、実際の飲食代は約4900円で、永田市議側が全額を負担したとみて捜査を進めていた。

 捜査幹部によると、2人は「会費は集めていた」と一貫して容疑を否認。また、出席者の多くは県警の任意聴取が始まった4月下旬に、「会費3千円を支払わなかった」と認める調書に署名したが、その後に否定に転じたという。ただ、会費を支払っていたとしても、差額を市議側が負担していれば、供応買収の罪に問うことは可能だという。

 さいたま地検の信田昌男次席は会見で、「関係者の供述や証拠を総合的に吟味した結果、現時点で最終的処分を決定することはできなかった」と説明。埼玉県警の捜査員が証言を強要したとの指摘に対しては、「強要などの違法と言われる捜査はなかったと考えている」と述べた。

 一方、釈放された永田市議も会見し、「支援者らにたいへんご労苦をかけた。私は潔白なので、(今後、捜査がどのように進展したとしても)心配はしていない」と話した。県警の捜査に対しては「取り調べ時間が一日12時間に及ぶなど理不尽。会費を払っていなかったことを前提にしており、大いに問題がある」と不満をあらわにした。

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