(2011年5月27日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件に絡み、中国からの輸出が滞ったのを機に注目を浴びたレアアース。その後も価格高騰は続いている(写真は中国・江蘇省連雲の港で、日本向け輸出用のレアアースを含む土を運ぶ重機)〔AFPBB News〕
重力をものともしない中国のレアアース(希土類)の価格高騰は、携帯電話からハイブリッド車に至るまで様々なモノに使われる部品の価格が急騰しかねないとの不安を引き起こしている。
今年1月から価格が3倍から5倍に跳ね上がったのは、世界最大のレアアース生産国である中国が国内生産を抑制してからだ。
その影響は広範囲に及ぶ可能性がある。
レアアースの年間消費量は、他のコモディティー(商品)の消費量に比べると少ないが、レアアースは蛍光灯から風力タービンに至るまであらゆるモノに使われている。また、ほかのモノで代替するのが、不可能でないにしても非常に難しい。
年初から3~5倍に跳ね上がったレアアース
生産財購買担当者は、供給量が減少する中で、酸化セリウムなどのレアアースの価格がわずか5カ月間で475%も跳ね上がるのを見て、ショックを受けている。
「こんなことは見たことがない」と、ある米国のレアアース購入業者は言う。「皆、新製品を開発したり、代用品を見つけたり、あらん限りの方法でレアアースを使わないで済むよう努力している」
世界の総産出量の90%以上を生産する中国が2年前に輸出割当量を減らし始めてから、レアアースは注目を集めてきた。日中間で外交問題が起きた後に日本に対するレアアースの輸出が一時中断されてから、中国政府の影響力が懸念を招いてきた。
そうした事実上の禁輸措置を受け、世界中の政府、特に米国と日本の政府は、別の供給源を開発することに一層努力を傾けてきた。だが、これらの取り組みには何年もかかる。
一方、中国政府は、国内鉱山を整理・統合するプログラムの一環として、汚染をもたらしている国内レアアース産業に対する規制を強化してきた。多くの人は、その結果、中国のレアアース生産が減少すると考えている。
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