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【プロ野球】

金本 第2の故郷で逆転2ラン 最下位脱出や

2011年5月30日 紙面から

◆阪神2−1楽天

 冷たい雨も、チームに重くのしかかる沈滞ムードも、一振りで切り裂いた。阪神が1点を追う7回だった。あっさり2死となったものの、新井貴がしぶとく中前打を放った直後、金本のバットが久しぶりにうなりを上げる。カウント1−1からの内角低めの真っすぐをすくい上げ、右翼席に起死回生、逆転となる3号をたたき込んだ。

 「芯には当たったんだけど、切れるかと思った。でも腕がうまいこと伸びて切れなくてよかった。このところタイミングが取れなかったし、打てないとヒット狙いになるんだけど、逆に長打を狙ってやろうかなと。まさかホームランとは思わなかった。(外野手の)間を抜いて1点と思ったんだけどね。まぐれ」

 打率は2割そこそこ。右肩の状態も決してよくない。チームは3連敗中。左投手が先発した試合に関しては実に7連敗を喫していた。この日も左腕の川井に対し、6回まで塁に出たのは初回のマートンただ一人というありさま。凡打の山を築く中での殊勲の一打。金本にとってもチームにとっても、これ以上ない結果だった。

 東北福祉大出身の金本は、仙台が第2の故郷と公言する。モチベーションが上がるのだろう。球場との相性は抜群だ。05年に交流戦が始まってからの7年間では、09年を除いたすべての年で本塁打を放ち、通算で6本目となる。移動日の27日には、仙台市の隣、岩沼市の避難所などを慰問。恒例としている東北福祉大の元監督で恩師に当たる故・伊藤義博氏の墓参りも済ませていた。

 「一人の人間として何かやりたい」と、すでに義援金1000万円などを贈った。特別な場所での特別な年に最高の仕事を成し遂げた。「うれしい。連敗を止めたのが何より一番」。ベテランの一振りで最下位も脱出。満面の笑みだった。 (中山隆志)

 

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