福岡県警小倉北署 工藤会壊滅へ新組織 100人専従 資金源摘発に重点
2009年01月07日 20:17
指定暴力団工藤会の壊滅につなげようと、福岡県警小倉北署は来週にも「工藤会撲滅推進室」(仮称)を新設する。署員の2割に当たる約100人を専従で配属する計画。北九州地区に約2000人とされる工藤会のフロント企業の摘発に力を注ぎ、資金源封じ込めに重点を置く。特定暴力団を対象にした対策組織を単独警察署に設けるのは珍しい。同署管内には工藤会本部や歓楽街があり、建設業者や飲食店に「みかじめ料」を要求する工藤会の対策を、署独自に進める必要があると判断した。
同署によると、撲滅推進室は組織犯罪対策管理官(警視)をトップに「検挙(摘発)班」と「情報収集班」で構成。当面は同署組織犯罪対策課を中心に約70人態勢で15日にも発足し、今春の県警全体の人事異動後に署内各課からさらに専従要員を集め100人態勢とする。
各署員は刑事や生活安全など担当分野ごとに、フロント企業やその周辺の内偵捜査、土木建設関係や飲食といった業者からの情報収集を展開。組員や工藤会支援者の摘発にもつなげる狙いだ。
県警は今春、本部に「工藤会対策課」(仮称)設置を検討中。山田繁臣・小倉北署長は「対策課や北九州地区のほかの署とも連携して、成果を挙げたい」としている。
同署は近く、撲滅推進室新設を軸にした「治安再生・信頼回復に向けた総合プラン」(仮称)を策定する予定。北九州地区やその周辺では、発砲や企業関係者への襲撃が相次いでおり、発砲事件はいずれも未解決。小倉北署管内では2008年2月に元組員が射殺され、9月には建設会社社長の車が銃撃された。
=2009/01/07付 西日本新聞夕刊=