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東日本大震災:「20ミリシーベルト」見直し 知事「一定の前進」 /福島

 ◇遅い対応に不満も

 文部科学省は27日、県内の児童生徒が今年度に受ける放射線量について「年間1ミリシーベルト以下を目指す」との目標を発表した。子供の屋外活動を制限する文科省の「年間20ミリシーベルト」を巡っては、保護者らから「基準が高すぎる」との不満が続出。より安全性に配慮する方針だが、親の間には依然「子供が安心して遊べる環境づくりこそ必要」との声が根強い。

 文科省は4月、屋外活動を制限する基準を20ミリシーベルトと発表した。直後に小佐古敏荘(こさことしそう)東大教授が「1ミリシーベルトにすべきだ」と批判して内閣参与を辞任。県庁や市町村教委には「文科省の基準で、子どもの安全は確保できるのか」との問い合わせや批判が寄せられ、佐藤雄平知事も「県民が困惑している」と不快感を示していた。

 今回の「目標」を受け、佐藤知事は「政府が努力した。一定の前進」と述べた。また2~9歳の3児を育てる伊達市内の母親(36)は「20ミリシーベルトは高すぎて不安だと思い、文科相にもメールを送った。ありがたい」と評価。

 一方で、政府の対応の遅さに不満の声も上がった。小中学生3人の子供を持つ福島大付属小PTAの鈴木信雅会長(44)は「基準見直しが遅すぎる。安全とされた年間20ミリシーベルトの基準は、専門家の意見も分かれ安心できなかった。付属小ではPTAが、正門から登校口の地面を水洗いするなど放射性物質に対する不安がいまも根強い」と話した。また、小学1年の男児(6)の母親(40)は「遅すぎる」と批判したうえで、「安全に過ごせるならいいが、規制ばかりでなく、より子供らしい生活を送れるような環境づくりや対策を考えてほしい」と話した。【種市房子、三上健太郎、蓬田正志】

毎日新聞 2011年5月28日 地方版

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