東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、反原発の気運が高まっているドイツで、合わせて16万人の市民が参加する大規模なデモが各地で一斉に行われ、国内の17基すべての原発の即時閉鎖を訴えました。
ドイツでは、福島第一原発事故のあと原発の安全性を疑問視する声が高まり、反原発を訴える市民の動きが活発化しています。28日には、首都ベルリンをはじめ北部のハンブルクや南部のミュンヘンなど、21の主要都市で一斉にデモが行われ、合わせておよそ16万人の市民が参加しました。このうちおよそ2万人が参加したハンブルクでは、反原発を示す黄色い旗などを持った市民が、「原発を止めろ」などと声を上げながら市内を行進し、国内に17基あるすべての原発の即時閉鎖を訴えました。デモに参加した20歳の男性は「再生可能エネルギーへの転換と原発の廃止ができるだけ早く実現することを望みます」と話していました。ドイツ政府は、すでに脱原発への転換を打ち出し、来月6日には、今後10年前後で国内すべての原発を廃止することや、風力をはじめとする再生可能エネルギーの導入を促進することなどを柱とする、新たなエネルギー政策が閣議決定される見通しですが、市民からは、より早急に原発を全廃するよう求める声が上がっています。