練習中に険しい表情を浮かべるストイコビッチ監督(中)=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのドラガン・ストイコビッチ監督(46)が28日、福岡戦(29日・豊田ス)を前に選手たちを追い込んだ。愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで練習を終えた後、100%ではなく200%の力を求めたうえ、できない選手は開始5分でも交代させる強行手段をちらつかせた。7戦全敗中の福岡相手に、フルパワーで挑む。
選手時代、瞬間湯沸かし器とも呼ばれたストイコビッチ監督が、沸騰寸前だ。「私にも我慢の限界はある。アブナイ」といら立ちを隠せない。
アジア制覇の夢は消え、J1は6試合で勝ち点「6」しか取れていない。J2降格ペースとも言える低迷から抜け出すきっかけにしたい福岡戦。開幕7戦全敗の最下位相手でも「簡単な試合と言うほど私はクレイジーではない」と予断を許さない状況で、選手の尻を引っぱたく。
「100%ではなく、200%の力で戦わないといけない」と試合の重要性を説明した後、非情の采配を振るう覚悟を示した。
「走れない選手、戦えない選手は、始まって5分でも引っ込める。これは冗談ではない」
昨年J1王者の力強さは見る影もなく、堪忍袋の緒が切れる寸前になっている。アジア・チャンピオンズリーグは16強で敗退したが、明るい兆しがないわけではない。悪夢のような故障者の連鎖は止まった。
25日に敵地で行われた水原(韓国)戦で負傷した楢崎、ダニルソンは精密検査で軽症と判明。増川、ブルザノビッチも戻ってきた。ベストではないものの、言い訳にできない状況だ。いきなり昨年と同じレベルを求めてはいない。「(21日の)柏戦では戦う姿勢を出してくれた。あれが必要だ。私は選手を信じている」と奮起を待つ。 (木本邦彦)
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