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【社会】

“満杯”汚染水 台風の危機 流出対策まだ不十分?

2011年5月29日 07時11分

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 福島第一原発に事故後、初めて台風が近づいている。三十日午後にも東北地方に接近する。東京電力は強風や大雨の影響で、敷地内にたまる高濃度の放射能汚染水や、放射能を帯びたちりが外部に出ることを懸念。対策を進めているが、政府と東電の統合対策室でも十分ではないとの見方が出ている。

 東電は台風のリスク(危険性)として、敷地内のちりが散乱したり、豪雨で汚染水が流出したりする恐れを挙げている。既に地表にちりを固めて飛散を防ぐ薬剤を散布し、二十七日からは建物への吹き付けも始めた。

 東電の松本純一原子力・立地本部長代理は二十七日の会見で「最大限やっている」と自信をみせたが、細野豪志首相補佐官は「万全とは言えない」と不安をのぞかせた。背景には、建屋地下にたまる汚染水の扱いに苦慮している事情がある。

 タービン建屋や原子炉建屋などの地下には、高濃度の放射性物質を含む汚染水がたまっているが、その水位が地下水を上回ると外部に染み出す恐れが高まる。危険ラインまで既に一メートルを切っている。移送先の集中廃棄物処理建屋でも二メートル弱しかない。

 1、3、4号機の原子炉建屋は屋根が大破しており、雨水の流れ込みを防げず、地下の汚染水が増えることが予想される。地下水の水位も上がるが、地震でタービン建屋地下は壁にひびが入っている可能性を東電も認めており、水の微妙なバランスが崩れて漏出することも考えられる。

 また、たまり水の水位が海抜四メートルの海岸近くの岸壁を上回ると、地下トンネルを通じて海に流れ出す恐れがある。過去二回の汚染水流出はこのルート。東電はトンネルの開口部をコンクリートなどでふさいでいるが、止水が完全とは言い切れない。このほか原発専用港湾内にたまっている放射性物質を含んだ海水が外洋に拡散することも心配されている。

(東京新聞)

 

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