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 集団食中毒j事件から１ヶ月��
(2011年05月27日 21時32分)
発覚からきょうで１か月。４人が亡くなり、今も多くの重症患者がいるえびす集団食中毒事件についてくわしくお伝えします。
警察の捜査の焦点は流通のどこの段階で菌が肉に付いたかという点です。えびすに肉を納入していた東京の卸業者やその取引先に直接取材を試みました。
「申し訳ございませんでした」（勘坂社長）
焼肉酒家えびすを展開するフーズ・フォーラスの勘坂社長はひざをついて謝罪した。えびすのユッケが原因とみられる集団食中毒事件。腸管出血性大腸菌Ｏ１１１に感染した６歳の男の子２人を含む４人が死亡。患者の数は１７４人にのぼる。
「何で今こういう風に死者がたくさん出るようなことになっているのかってことを正直教えて欲しいですね」（遺族）
「死に切れなかったと思うんですけどね」（遺族の知人）
原因となる菌は流通のどの段階で肉に付着したのか。また、菌を取り除くことは出来なかったのか。
「肉は卸からユッケ用として提案され、客に提供していた」（フーズ・フォーラス）
「加熱用の肉として提供していた」（大和屋商店）
両者の主張が食い違いをみせる中・・・。
富山県警などは合同捜査本部を設置、業務上過失致死の疑いで強制捜査に踏み切った。
焼肉１皿１００円、ユッケ２８０円と低価格路線を前面に押し出し、ここ２年で急成長を遂げた焼肉酒家えびす。
先月下旬以降、その系列店でユッケなどを食べた客が集団で食中毒の症状を訴えた。富山、福井、神奈川の３県で、患者は１７０人以上にのぼりそのうち４人が死亡した。
実は、この事件を機に明るみに出た事実があった。
厚生労働省は生で食べられる肉を出荷するための衛生基準を定めていたが、牛肉についてはこの基準を満たしている施設はない。
ただし、この基準には罰則などの強制力がないため、実際には生食用ではない肉が店側の判断で生で提供され、国もそれをなかば黙認していたというのだ。そんな中、クローズアップされたのが『トリミング』だ。『トリミング』とは菌が付きやすい肉の表面を削りとる作業。厚生労働省の衛生基準では、肉の卸業者と飲食店の双方に『トリミング』を求めていた。
しかし…。
フーズ・フォーラスは、２００９年７月以降、『トリミング』は実施していなかったことを明らかにした。その理由は…。
フーズ・フォーラスがユッケ用肉を仕入れていた東京の食肉卸業者・大和屋商店。フーズ・フォーラスが大和屋商店と取り引きを始める直前、大和屋商店から送られたメールにはこんな文面が…。
「和牛経産・・・ユッケ用サンプルできました」
生食用の肉を扱っていたことをうかがわせるメール。さらにトリミングが不必要と思わせるこんな内容も・・・
「歩留まり１００％で無駄がない」
大和屋商店は、メールの内容とは裏腹に、加熱用の肉として出荷したため、トリミングは行っていなかったと主張している。
厚生労働省の基準ではいわゆる精肉と菌がいる可能性が高い内蔵を処理するときでは、包丁やまな板の使いまわしをしないように定めている。
しかし、板橋区保健所の調べでは、大和屋商店では精肉と内臓の処理で同じ包丁とまな板を使っていたことがわかっている。
「やはり衛生上のことを考えて一日の作業の一番最後に内臓の処理を行っていたそうです」（板橋保健所）
大和屋商店は主に精肉を扱っているが、注文があれば内蔵肉も取り寄せている。その際、菌の付着など衛生面を考慮して最初に精肉などを加工処理。作業ごとに消毒を行い、肝臓などを処理するといった工程を徹底していたという。
「最新の設備が整っているということではないが、一応の基準をクリアするだけの衛生はされていたという風に思います」（板橋保健所）
大和屋商店から肉を仕入れている店も大和屋商店の姿勢に疑念を募らせている。
Ｑ）今後も仕入れを継続していく方針ですか？
「最近はよそのところに肉を買いに行っています。白黒はっきりしていないから、まだ」（店長）
大和屋商店から真空パックで納入された横浜若草台(わかくさだい)店の肉に付着していた菌の遺伝子型と、死亡した４人から採取された菌の遺伝子型が一致した。
合同捜査本部はこれを受け、肉が店舗に納入される前に菌が付着したと断定し、さらに捜査を進めている。
食肉業界全体に波紋を広げる今回の集団食中毒事件、全容の解明が急がれている。
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