「止めろと言った」「言わない」で国会論戦にまでなった東京電力福島第1原発1号機への海水注入問題は一転、現場の所長が独断で注水を継続していたことが26日、判明した。情報共有も指揮命令系統も無視。事故収束にあたる2700人の作業員を束ねる吉田昌郎所長(56)とはどんな人物なのか、東電幹部らの証言から探った。
「やってられんわ」。4月上旬、1号機の格納容器が水素爆発するのを防ぐためテレビ会議で本店から窒素ガス注入を指示された時、吉田所長は関西弁でそう声を荒らげた。「そんな危険なこと、作業員にさせられるか」。翌日には抗議の意味を込めてサングラス姿でテレビ会議に現れ、役員たちを驚かせた。
大阪府出身。菅直人首相と同じ東京工大で原子核工学を専攻。1979年に東京電力入社。通商産業省(現経済産業省)にも内定していたが、大学の先輩の勧めで東電を選んだ。昨年、所長に就任し、第1原発での勤務は4回目となった。
身長180センチで学生時代はボート部に所属し、社内の評価は「豪快」「親分肌」。免震重要棟の廊下で眠る作業員に「もう帰れ」と声をかける一方、収束に向けた工程表を持ち出して作業を急がせる本店に「作業員の被ばく量をどう考えるのか」と反論することも。
「発電所のことは自分が一番知っているという自負があるのだろう。それが時には頑固に見える」と元同僚。
枝野幸男官房長官が不快感を示すなど、情報の混乱が、新たな物議を醸している。東電のある幹部は「大変なご迷惑を掛けていることに違いはないが、事故が今の状況で済んでいるのは吉田の存在も大きい」とかばった。〔共同〕
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