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【社会】

独自に測定 自治体次々 都内各地に装置HP、掲示板で公表

2011年5月28日 夕刊

都内自治体の放射線量の測定結果を表示する電子掲示板=JR新宿駅東口で(安江実撮影)

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 文部科学省の放射線量の観測とは別に、自治体が独自に測定した放射線量を公表する動きが出てきた。文科省のモニタリングポスト(計測装置)の設置場所から離れた地域では、「地元の数値はどうなのか」と不安になる住民も少なくない。東京都足立区は独自の測定値を公表しており、板橋区も来月に測定を始める予定で、世田谷区も検討中。都は、都内七カ所の数値を電子掲示板で公表し始めた。 (高橋知子)

 足立区は一九九九年のJCO臨界事故を受け、二〇〇一年から月に一回、独自に放射線量を測定し、年一回発行の冊子で公表してきた。福島第一原発の事故後は毎日測定し、ホームページ上で、値を公表することにした。区環境保全課によると、「観測を始めたいという自治体から多数の問い合わせを受けている」という。

 同じく独自の測定を予定する板橋区は「専門の職員がおらず、機器の扱いにも不慣れ」(環境保全課)と準備を急ぐ。職員の研修を行い六月中旬には始める方針だ。都内では、世田谷区も独自の測定を検討している。今後、他区にも追随する動きが広がりそうだ。

 都は四月六日から、新宿区百人町のモニタリングポストの放射線の数値のほか、文科省が大学などから得た文京、港、目黒、渋谷の四区、八王子、府中の二市の数値を、JRの新宿、渋谷、池袋駅前の電子掲示板などで公表を始めた。

 「放射線で、健康にどんな影響があるのか」など問い合わせが多く、都は「情報がないことで起きる不安を解消するため、数値を広く知らせたい」とする。

 都独自の観測についても、「地域ごとの情報が必要となった場合は、どんな測定方法や機器を準備すべきか検討中」とする。

 関東地方ではほかに、学校の校庭で放射線量を計測する自治体も少なくない。群馬県太田市が五月上旬と中旬に市立小学校と幼稚園で校庭での放射線量を計測して公表。千葉県松戸市も独自の測定を始めた。

 埼玉県は七月から県内約百カ所の小学校や幼稚園で地表面の放射線測定を行う準備を進めている。

 

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