2011年4月27日19時8分
斉藤和義さん
忌野清志郎さん
86年のチェルノブイリ原発事故の影響もあり、反核の姿勢が鮮明だった。
リーダーの故・忌野清志郎さんは「ラヴ・ミー・テンダー」に「放射能はいらねえ/牛乳を飲みてえ」と日本語の歌詞を付けた。「サマータイム・ブルース」は「人気のない所で泳いだら/原子力発電所が建っていた/さっぱりわかんねえ、何のため/狭い日本のサマータイム・ブルース」となった。
88年当時、所属レコード会社の東芝EMIは新聞広告で「素晴らしすぎて発売できません」と表明し、詳しい理由を明らかにしないまま発売を中止。その後、別会社から発売された。
福島第一原発の事故が起きた後、この2曲も注目を集めた。音楽評論家のピーター・バラカンさんがDJを務めるインターFMの「バラカン・モーニング」にも、「番組を始めて以来、最も多くのリクエストが集中した」という。
バラカンさんは「かけるべきだ」と考え、「サマータイム・ブルース」を流した。一方で牛乳に触れる「ラヴ・ミー・テンダー」については局と協議し、「風評被害につながるおそれがあり、今の時期はやめた方がいい」との理由で、放送を見送ったという。
バラカンさんは放送しない理由を番組で紹介したうえで、「インターネットでも簡単に聴けるので、どう思ったのか、教えてください」と呼びかけた。
番組には「かけるべきだった」「清志郎が生きていたら、こんな状況だからこそ、違う歌を歌うと思う」などという感想が寄せられているという。(五十嵐大介、中井大助)