中野市内6カ所の下水道の処理場や堆肥化施設から出た脱水汚泥や汚泥堆肥、長野市の下水道終末処理場の市東部浄化センターから出た脱水汚泥と焼却灰から、放射性セシウムや放射性ヨウ素が検出されたことが27日、両市の検査で分かった。
中野市によると、中野、高丘、上今井の公共下水道処理場と、長丘、平岡の両農業集落排水処理場から出た脱水汚泥からセシウム134と同137を検出。1キロ当たり計70〜198ベクレルだった。ヨウ素131は、中野の処理場でのみ検出され、同92ベクレルだった。
公共下水道の堆肥化施設で生産した汚泥堆肥からはセシウムを同計489ベクレル検出。農業集落排水の堆肥化施設からは不検出だった。
市は「国の飲料水などの基準と比べても低い値」としているが、3月以降に出た汚泥を使った汚泥堆肥の販売は控える方針。
長野市上下水道局によると、汚泥、焼却灰ともにセシウム134と同137を検出。汚泥は1キロ当たり計31ベクレル、焼却灰は同1987ベクレルだった。ヨウ素は汚泥が1キロ当たり46ベクレル、焼却灰は同11ベクレルだった。
汚泥は放射性物質の含有量の基準がないため、同局は国の指針が決まるまで焼却灰をセンター建屋内で保管する。同局は「保管による市民や作業員への健康上の影響はない」としている。