(cache) 福島原発、再臨界の心配なし 東工大教授が計算 - 47NEWS(よんななニュース)
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  • 福島原発、再臨界の心配なし 東工大教授が計算

     福島第1原発で、メルトダウン(炉心溶融)により圧力容器の底にたまっているとみられる核燃料は、現状では再臨界を起こす可能性は低いとする計算結果を、二ノ方寿東京工業大教授(原子炉工学)がまとめたことが、27日分かった。

     日本原子力学会などが指摘してきた従来の見解を裏付ける内容。二ノ方教授は「炉内には不純物が多く、臨界を止める中性子吸収材も含まれる。計算よりもさらに臨界になりにくいはずだ」としている。

     臨界には、燃料が一定量集まり、核反応を継続させるために中性子を減速させる水が必要。二ノ方教授らは、容器の底に直径約5ミリの粒状のウラン燃料が、直径3メートル、厚さ20~50センチにわたって積もり、粒の隙間に水が入り込んでいると想定した。圧力容器内で燃料棒が大量に溶け落ちた状態に相当するという。

     その上で、セシウムなどの核分裂生成物や、燃料棒の被覆管の成分が混ざった場合などを計算。その結果、燃料とほぼ同量の水が存在し、核分裂生成物などが燃料に含まれない場合には、臨界に達した。

     一方、より現実に近い条件下の、核分裂生成物を1%含んだ場合や、被覆管の成分が10%以上ある場合には、中性子を吸収したり、相対的に水の割合が減ったりして、臨界にならなかった。

     1号機への海水注入では、再臨界の可能性が問題となったが、二ノ方教授は「むしろ海水の方が不純物が多いため、再臨界は起こりにくい」としている。

      【共同通信】