0:「」
「ディバィーン─…」
青色の空を
「バスタァー!!!」
桃色の閃光が黒色の戦闘機をなぎ払う。
「…何だあれは」
はるか離れた空中からソレを見ていたのは金色に輝く瞳を持つ魔女<ウィッチ>。
501統合戦闘航空団、通称ストライクウィッチーズの坂本美緒少佐は一瞬呆けた後、急ぎ本部に連絡を入れた。
「どうしたの美緒?ネウロイは確認できた?」
本部からミーナ・D・ヴィルケ中佐が答える。
「…ああ。所属不明のウィッチが…撃墜した」
「…なんですって?状況の説明を」
「ふぅ~。どう、レイジングハート?」
『敵性反応消失。再生の兆しはありません』
戦闘が終了し、愛器に話しかける。
「よかったぁ…。で、解析はできた?」
『あの無人戦闘機に内包された魔力量は管理局Bクラス魔導師級です。
動きからこの州域の偵察、私達を発見、敵性と判断し攻撃してきたと思われます』
「渡界していきなり戦闘なんて…。ねぇ、私ってそんなに喧嘩腰に見えるのかな?」
『さぁ、少なくとも私はマスターの身を守る事が最優先──マスター!高速で接近する機影を確認!」
「おっと!動くなよ!」
振り向くと目の前にはBARの銃口がこちらを向いていた。
銃を向けるシャーロット・E・イェーガー大尉の後ろから坂本が続ける。
「私は501統合戦闘航空団所属、坂本美緒少佐だ。貴官の所属、名前、目的を言え。さもなくば拘束する!」
通常、戦闘区域で他の部隊と接触、共闘することは稀にだがある。
その時感謝することはあれど、このように威嚇することはない。なぜか?
理由は二つ。
正体不明の女性はストライカーユニットをつけていない。この時点でウィッチと呼ぶのにすら疑問が生まれる。
ウィッチ以外の航空戦力=敵、という構図が生まれてしまう。
さらに先ほど女性が放った桃色の閃光。
色こそ違えどあれは人類の敵<ネウロイ>の放つソレにしか見えないのだ。
これらから生まれる女性の正体は一つ。かつて自分たちが遭遇した<人型ネウロイ>である。
故に戦意丸出しで話しかけ、返事が返ってきたのには驚いた。
「私は時空管理局古代遺物管理部 機動六課所属、高町なのは一等空尉であります。
目的は次元犯罪の追跡、逮捕です。よろしければお話させて頂けないでしょうか?」
二つの世界の魔女が交わった瞬間であった。