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[28014] 【習作】航空魔女x魔法少女 (STRIKE WITCHES x リリカルなのはST)
Name: パンツにむしゃぶりつくオジ様◆2d78b081 ID:3c4ea79f
Date: 2011/05/27 14:00
魔法処女リリカルなのはStrikersとSTRIKE WITCHESのクロスです。

ss処女作、知識,語彙不足のためお見苦しい作品になると思います。
なにか間違いがございましたらご指摘ください。

時系列は
なのは→STの中盤
SW→アニメ2期の中盤
です。

次元犯罪者スカルエッティを追って、SW世界にやってきた機動6課のお話です。



[28014] 0話:「それは空での出会いなの」
Name: パンツにむしゃぶりつくオジ様◆2d78b081 ID:3c4ea79f
Date: 2011/05/27 14:07
0:「」

「ディバィーン─…」
青色の空を
「バスタァー!!!」
桃色の閃光が黒色の戦闘機をなぎ払う。

「…何だあれは」
はるか離れた空中からソレを見ていたのは金色に輝く瞳を持つ魔女<ウィッチ>。
501統合戦闘航空団、通称ストライクウィッチーズの坂本美緒少佐は一瞬呆けた後、急ぎ本部に連絡を入れた。

「どうしたの美緒?ネウロイは確認できた?」
本部からミーナ・D・ヴィルケ中佐が答える。
「…ああ。所属不明のウィッチが…撃墜した」
「…なんですって?状況の説明を」

「ふぅ~。どう、レイジングハート?」
『敵性反応消失。再生の兆しはありません』
戦闘が終了し、愛器に話しかける。
「よかったぁ…。で、解析はできた?」
『あの無人戦闘機に内包された魔力量は管理局Bクラス魔導師級です。
動きからこの州域の偵察、私達を発見、敵性と判断し攻撃してきたと思われます』
「渡界していきなり戦闘なんて…。ねぇ、私ってそんなに喧嘩腰に見えるのかな?」
『さぁ、少なくとも私はマスターの身を守る事が最優先──マスター!高速で接近する機影を確認!」


「おっと!動くなよ!」

振り向くと目の前にはBARの銃口がこちらを向いていた。
銃を向けるシャーロット・E・イェーガー大尉の後ろから坂本が続ける。
「私は501統合戦闘航空団所属、坂本美緒少佐だ。貴官の所属、名前、目的を言え。さもなくば拘束する!」

通常、戦闘区域で他の部隊と接触、共闘することは稀にだがある。
その時感謝することはあれど、このように威嚇することはない。なぜか?
理由は二つ。
正体不明の女性はストライカーユニットをつけていない。この時点でウィッチと呼ぶのにすら疑問が生まれる。
ウィッチ以外の航空戦力=敵、という構図が生まれてしまう。
さらに先ほど女性が放った桃色の閃光。
色こそ違えどあれは人類の敵<ネウロイ>の放つソレにしか見えないのだ。
これらから生まれる女性の正体は一つ。かつて自分たちが遭遇した<人型ネウロイ>である。
故に戦意丸出しで話しかけ、返事が返ってきたのには驚いた。


「私は時空管理局古代遺物管理部 機動六課所属、高町なのは一等空尉であります。
目的は次元犯罪の追跡、逮捕です。よろしければお話させて頂けないでしょうか?」


二つの世界の魔女が交わった瞬間であった。



[28014] 1話:「すーすーしないの?」
Name: パンツにむしゃぶりつくオジ様◆2d78b081 ID:3c4ea79f
Date: 2011/05/27 16:03
1:「すーすーしないの?」

「では高町なのは一等空尉…ええと、大尉さんかしら?
はじめまして、第501統合戦闘航空団所属 ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐です。
お話を伺いましょう」

501基地の作戦司令部。
なのは、ミーナ、坂本、ゲルトルート・バルクホルン大尉である。
他のウィッチメンバーが扉越し盗み聞きしているのを把握していながらミーナは促す。
残念だが注意する余裕が無いのだ。目の前の女性、高町なのはから感じる魔力ポテンシャル。
それは今まで会ったどのウィッチよりも高く感じた。女性特有の柔和な外見、性格からはかけ離れたその超攻撃的魔力特性。
感知能力にすぐれたミーナであるが、同席している坂本とバルクホルンもどうやら同じ事を感じたらしく
耳と尻尾を出した状態のまま、威嚇するようになのはを見ていた。

「ありがとうございます。ではまず私の事から。
私は数ある世界を管理・維持する機関である<時空管理局>の者です。信じられないかもしれませんが世界、というのは
隣り合うように多々存在しています。そしていくつかの世界にはロストロギアと呼ばれる危険な技術を含んだ知識、物品があります。
そのロストロギア関連の任務を扱うのが、私たち<機動6課>であります」

あまりの現実味のない説明に呆けた顔をする3人。
だが目の前の女性自体が既に現実味が無いため、黙って聴くことにした。
「そしてそのロストロギアを有した犯罪者がこの世界に潜伏していることが判明したため追跡、逮捕を目的に
私がやってきました」

「うーん…」
ミーナが困った顔をして腕を組む。全てを信じたわけではないが話の辻褄は合う。
なにより目の前の人物が嘘を言うようなタイプではない、と本能で感じる。
人を見る目があるミーナである。501が良い証拠だ。
そんなミーナを見て「また皺が増えるな…」と思ったバルクホルンだが勿論心の中に留めておく。

考え込んでしまったミーナの代わりにバルクホルンが口を開く。
「とりあえず高町大尉の言うことが事実だとして、他の世界の住人である私たちにそれを明かす理由は?
未知の技術集大成である貴方が私たちの世界に干渉することは管理局、だったか? その目的に反すると思うのだが」

正論である。管理局より上の文明レベルならまだしも、この世界はそこまで発達した文明を持っていない。
考えられる理由としては「侵略」。軍事色の強いこの世界では当たり前の発想かもしれない。

「ええと、私の戦闘を見られてしまった事が第一なんですが、
その犯罪者が既にこの世界に干渉していると思われます。
そして彼が潜伏しているのがこの海域周辺である事と、ここを拠点としているのが貴方たちの部隊である事。
これらを踏まえると貴方方の部隊に協力を仰ぐのが最善と思いました。それに極力この世界への干渉はしないつもりですが
他世界の住人に協力を仰ぐという事は…結構…あるんです。すいません…」
例えば自分がそうだった、と続けなのは申し訳なさそうに俯く。

「うーん……。とりあえず急いで結論は出せないので、続きは明日でもよろしいでしょうか?
勿論、この話は他言無用。食事と寝る場所もこちらで用意させて頂きます。よろしいでしょうか高町少尉?」

ミーナが困った顔で聞き、なのはは笑顔でそれに答えた。
「勿論です、むしろありがとうございます!可能な限り情報もお渡ししますし、よろしければこちらからも質問をさせて頂きたいです」

「ええ、どうぞ。私たちの世界の事ですもの。気になったことは聞いてくださいね」
ようやく皺を解除したミーナに

申し訳なさそうに

恥ずかしそうになのはは尋ねた。




「あ、あの…。なんで…履いてないんですか…?」




その質問の答えと、けたたましいサイレンが鳴り響いたのは同時であった。













※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
今回はここまでです。
見るのと書くのじゃ全然違うんですね。
皆様の実力にただただ感服するだけです・・・。

仕事合間にネカフェから投稿しています。
もっと、もっと時間をクレェ・・・。



[28014] 2話:「ファーストエンゲージなの!」
Name: パンツにむしゃぶりつくオジ様◆2d78b081 ID:53e5b1e2
Date: 2011/05/28 00:14
2:「ファーストエンゲージなの!」

「おかしいわね・・・。
さっきのネウロイが偵察目的であるなら
撃墜された時点で追撃なんて選ぶはずがない」
ミーナは正しい。
「高町大尉という不確定要素の出現のため?いえ・・・それじゃ弱いわね」
概ね正しい。
その考えはネウロイのこれまでの動きから予測した考えである。
詰まる所、”これまでにない新しい動き”がネウロイ側にあるという事だ。
しかしその真意を掴めたのは未だいない。

「・・・っ!! こいつ、速いぞ!!」
シャーリーの鋭い悲鳴が響く。
「それに・・・硬い!!」

流線型のフォルム。
ウィッチ達の弾幕を物ともしない装甲。
空気を切り裂くような爆音と共に黒い戦闘機が走る。
以前、SWが対峙した高速機動型のネウロイである。

だがある一点が違った。
銃撃が通らないのである。

高速再生の可能なネウロイの装甲ではあるが、
逆を言えば再生を促す破壊は可能なのだ。
だが、それが出来ない。

本来の弾丸の威力に魔力を上乗せして破滅的な威力を叩きだす。
それがウィッチの武器。
しかしこのネウロイは

「魔力を・・・消しているだとっ!?」
魔眼による敵の分析を即座に行った坂本の言葉にウィッチに動揺が走る。
その隙を逃さないネウロイは一気に加速した。

「きゃぁ!?」
「リーネ!くそっ、特攻か!!!」
バルクホルンが体制を崩したリネット・ビショップ曹長を抱えて
ネウロイの目的を察知する。
本部へ急ぎ通信をいれるが
「ミーナ!敵の目的は特攻だ!!こっちは突破された!急いで避難しろ!
リベリアン、追いつけないか!?」
「無茶言うな!追いつけてもその後の手がない!」

以前は前方にシールドを張った特攻で同型を撃墜したが今回は位置取りが違う。
追う形になっては追いつけても以前ほどの火力は出せない。
さらに銃撃が通らないとあってはまさに無駄足だ。

「リーネちゃん、狙撃でなんとかならない?!」
「無理だよ芳佳ちゃん!この距離じゃもう・・・届かない!」
「基地にはサーニャ達もいるんだゾ!なんとかしないと!!」

「落ち着け馬鹿者共!!全機、全速で追撃!
横っ腹から叩きこんで軌道をずらせ!」
坂本の檄にウィッチ達はなんとか体制を建て直しネウロイの追跡を開始する。
だがもってあと30秒。その間に追いつかなければ・・・基地は崩壊する。

「もっと速く!いやだよ・・・!誰も死なせないっ!」
エーリカ・ハルトマン中尉は誰に言うわけでもなく自分にそう言い聞かせた。
今まで一人も味方を堕とさせた事がないのが自慢だった。
そんな自分に酔っていたわけでは無いし油断していたわけでもない。
ただ、運が悪かった。
新しく基地にやってきた未知の来訪者。その人の事を考えてしまったのだ。

友達になれるかな?

ミーナに並んで人を見る目があるハルトマンは
高町なのはを一目見ただけでその人物を看破した。
優しそうで実は厳しい。でも、やっぱり優しい。トゥルーデと似てるかも。
深く考えの無い感想だがそれは間違っていない。
だから、ふと、戦闘後のなのはへの挨拶を考えてしまった。
「おねがいだよ、もっと速く!」
全員が絶望しかけた。





「基地と敵戦闘機の同射線上にいる人は退避を」






──凛とした声。






「長々距離砲撃を行います。繰り返します、射線上の人は退避をお願いします」






─まるで空の主からの声。





「皆!急いで退避を!」
続けて響くミーナの指示。
「っ!全員退避っ!!」
坂本が叫ぶ。
それは指示があったから、だけではなかった。

その場にいたら飲み込まれてしまう。

ソレを感じさせる魔力が

基地から感じられたのだ。




『Buster mode drive ignission. Load cartridge.』

「いくよ!レイジングハート!!久しぶりの超距離砲撃!!!」

『 <Divine Buster Extension>』





「ディバイーン・・・・・・バスタアアー!!!!!」





余りの光景にウィッチ達は息をするのを忘れてしまう。
文字通り飲み込んでいく。
桃色の閃光に触れた部分からネウロイが消えていく。

そう、消えていくのだ。

爆発するわけでもなく、堕ちていくわけでもなく。

「なんて・・・魔力・・・」
司令部からそれを見ていたミーナは呟く。
この世界に訪れた来訪者は自分達の思っていた以上、
いや、想像を遥かに超えた存在だったのだ。







「くぅ!!素晴らしい。やはり素晴らしい」
ミーナ以外にその光景を見ていた男。
「AMFを付けた程度では話にならないか。素晴らしいよネウロイ。
これで君はまた近づくことが出来る!」
誰への賛美だろう。きっと誰にでもないのかもしれない。
この狂気は娘たちにも理解できないのだから。





「ありがとうございます・・・高町大尉。おかげで助かりました」
「いえ、こちらこそありがとうございます。無理なお願いを聞いて下さって・・・」
お互い頭を下げるちょっと滑稽な光景。
ミーナとなのははお互いに感謝していた。
「一宿一晩では到底この恩はお返しできません。
先ほどの件ですが前向きに検討いたします。
他に何かご希望がありましたら何でもおっしゃってください」
どうやらミーナの感謝はなのは以上の様である。
自分の家とも呼べる基地を守って貰ったのだ、当然である。

「うーん・・・でしたら私の事は「なのは」と呼んで下さい。
あまり軍人行儀なの苦しいですので。それに私達、年近いと思うんだっ」
キョトンとしたのはミーナ。
「あ、あれ・・・。やっぱり失礼だったかな・・・?」
年相応な少女の困り顔をみてミーナもクスリと笑ってしまう。
「わかったわ。そうさせて貰います。とりあえず皆を迎えに行きましょう?
多分質問攻めになると思うけど」
「たはは」と苦笑しながらなのはは頷いた。

魔法少女の初陣はこうして幕を降ろす。


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