東日本大震災で被災した宮城県石巻市の水産加工会社のサバの缶詰が、東京都板橋区のハッピーロード大山商店街で売り出された。津波をかぶってへこんだりしているが、中身に問題はなく、商店街の関係者は「被災地支援につながれば」と話している。
この缶詰は石巻市の「木の屋石巻水産」がつくった高級サバ缶。震災直後、支援の手が届くまで被災者の食料となり、「希望の缶詰」と呼ばれている。商品化にあたり、社員らが泥にまみれた缶を一つ一つ洗った。
岩手県二戸市出身の同商店街理事、小原貢久さん(65)が取引先から話を聞き、仕入れを決めた。27日から、商店街が運営するアンテナショップで320缶(1缶350円)を売っている。小原さんは「食べることで、支援をお手伝いさせてもらう。『希望』の輪を広げたい」と語った。【吉住遊】
毎日新聞 2011年5月28日 19時06分(最終更新 5月28日 19時08分)