東京電力は28日、地震後に福島第1原発敷地内で測定した放射線モニタリングデータのうち、未公表だった1509件のデータを公開した。東電は27日、未公表の理由について「データが記載された紙を紛失したため」と説明していたが、28日の会見で一転「データは本店と原発内に保管されていた」と発表内容を否定した。
今回公表したのは、3月11~21日の11日間に、原発敷地内で測定した放射線量のデータ。すでに公表済みの、10分間隔のデータを補完する2分間隔の測定値。東電によると、地震で敷地内8カ所のモニタリングポストすべてが電源喪失により使用できなくなったため、モニタリングカー(移動測定車)などで測定をしていた。
今回新たに公開されたデータには、3月17日午後3時55分、事務本館北の毎時3699マイクロシーベルト、同15日午前8時55分に発電所の正門付近で記録した毎時約3509マイクロシーベルトといった高い線量もあったが、従来発表していた毎時1万マイクロシーベルト(10ミリシーベルト)などの値は下回っている。
会見した松本純一・東電原子力・立地本部長代理は「データを取得した段階で、通報基準を超えるものについては経済産業省原子力安全・保安院に報告している。整理に時間がかかってしまい、申し訳ない。聞き取り調査などで事実関係をまとめ、1週間程度で公表したい」と話した。【河内敏康、比嘉洋】
毎日新聞 2011年5月28日 13時01分(最終更新 5月28日 13時46分)