通勤ラッシュで混雑するバスの車中で、幼い女児の尻を触る卑わいな手。「ちょっと待てや〜っ!!」。警戒張り込み中の広島県警男性刑事が、怒声とともに捕まえたのは広島県警職員の男だった。
同県警にわいせつ容疑の現行犯で逮捕されたのは、広島市の同県警情報管理課主事、村木茂康容疑者(25)。逮捕容疑は、27日午前7時20分ごろ、広島市中区上幟町を走行中の広島電鉄バス車内で、登校中だった小学2年の女児(7)の尻をナデ回すなどした疑い。「すいません」と容疑を認めているという。
同県警監察官室によると、昨年9月ごろから、同じ時間帯の同じ路線バス車内で、小・中学の女子生徒が痴漢被害に遭う事案が頻発。学校関係者や保護者から多数の相談が寄せられていたため、同県警では私服捜査員を配置するなどして、厳戒態勢を取っていたという。
27日に捜査に当たっていたのは、「子どもと女性の安全対策を一元的に担う」として、警視以下36人態勢で4月1日に発足させたばかりの同県警生活安全部「安全安心推進課」の精鋭部隊。バスの車中で目を光らせていたのは男性捜査員1人だったが、村木容疑者の“魔手”を見逃すことはなかった。
「12号線」と呼ばれる広島電鉄の路線バスが、同県警庁舎にほど近い停留所「女学院前」に到着すると、村木容疑者は降車のためにバス車内を移動。その際に女児の尻を触るという“仁義なき暴挙”に出たという。
村木容疑者の自宅は「12号線」沿いにあり、同県警への出勤途中に犯行を繰り返していたとみられている。
同県警監察官室は27日、本紙の取材に「全国の警察で、子どもや女性の安全を守るための部署が続々立ち上がっているという状況下、このような不祥事が起きたショックは大きい。厳正に処分する」とカンカンだった。
(紙面から)