えんため大賞ラストスパートレクチャー!! 第3回

①えんため大賞への質問
原稿を書く際、【必ず1行目には「作品タイトル」2行目には「氏名/ペンネーム」を明記】と書いているのですが、これは、3行目に「第1章」などと書いて、本文を始めたら良いのでしょうか?(奏空)

 タイトル(&PN)と本文(実際の物語部分)を冒頭からまとめて書いてもらうのはタイトルを印刷した表紙や、エントリーシートが何かの際に本文部分と分かれてしまい、何という応募作品かわからなくなるのを防ぐためでもあります。通常は、3行目あたりから(別に3行目からでなくても5行目でもいいわけですが)本文を書き始めます。
 章タイトルを入れるか入れないかは、その作品によりますので、章立てをしているものは章タイトルを書き、章立てしていない作品はそのまま文章を書き始めてもらって問題ありません。何行目からというルールは特にありません。

②えんため大賞への質問
エンタメ大賞に応募する作品を書いているのですが、ルビを振りたくてもテキスト形式のため振ることができません。どのように振っておけばいいでしょうか?(音原織那)

 ルビをどうしても振りたいのなら、ルビ付けの機能のある文章ソフトをお勧めします。Wordや一太郎などのソフトがあれば、ルビを付けてプリントアウトできます。どうしても、テキスト形式でしか書けないのであれば、一度プリントアウトしてから手書きでルビをつけるか、または文章中にカッコ書き(○○)でルビをつけるしかありません。ただし、その場合は文字数が増えてしまいますので、レギュレーションの枚数を超えてしまいそうな場合は、止めたほうが良いと思います。応募の際、ルビは用語や名前など特殊な読みをどうしてもさせたいときのみに抑えたほうが無難かもしれません。
 いずれにしろ、小説投稿のルールなどをまとめたサイトが多数ありますので、そういったところで調べてみると良いかもしれません。

③えんため大賞への質問
えんため大賞で、作品の概要とありますが、ミステリーのトリック及び犯人も書きますか?
また、執筆歴とありますが、具体的にどのような事を書けばいいのですか? 最後に作品の章を分けたり、小見出しを付けたりしますか?(www)

 梗概とは、選考委員に向け、どういった作品を応募したのかを的確かつ簡単に伝えるものですので、 よく本の裏表紙などにある、あらすじとは違います。ですので、ネタばれを気にせず作品を説明する上で重要だと思われる内容はきちんと書いてください。ミステリーのトリックや犯人などもその作品を説明するのに重要だと思うのであれば書くべきでしょう。また、梗概では物語の最後、結末までを書く必要があります。時々、あらすじなどのように、「さて、どうなる?」的な煽りの文章で終わっている梗概がありますが(笑)、それでは意味がありませんのでご注意ください。
 また、章タイトルや、小見出しについては、物語の演出によります。ただし、一般的には章立てをしたり、小見出しなどで段落ごとに区切っていったほうが、読みやすくまた物語の緩急も感じられて良いと思います。
 最後に、執筆歴に必要なのは、その作品が初小説なのかどうか、それとも何年か書き続け、数作仕上げているのかどうか。さらに、とても重要なのが投稿歴です。できればいつどこの賞に応募し、どこまで通過したかなど簡単にまとめていただけると嬉しいです。

④えんため大賞への質問
自分で新しい書き方をするのは可能ですか?
例)章の後に書き足すことなど…。(宵月)

 新しい書き方というのが具体的にどういうことを指すのかがわかりませんが、例にあるのは、いわゆる幕間(章と章の間の短いシーン)のようなものだと思いますので、それは普通に多くの作品で書かれている手法ですので、まったく問題はありません。また、本当に斬新で新しい書き方を独自に編み出しそれでチャレンジしたいという場合、その手法が日本語の文章的には間違っておらずかつ、作品にマッチングした読むものを感動させるすばらしいものであったなら、評価されるかもしれません。

⑤えんため大賞への質問
小説の迫力を出すにはどのような具体例がありますか。
また、小説における迫力とはどういうものかと考えていますか。
プロの作家さんと日々仕事をしている編集さんの意見を拝聴できましたら光栄です。(荒谷 朗)

 これは作品によるので回答の難しい質問です。また個々の作家さんの個性と能力によるものなので、ご自身で多くの物語を読み、ご自身が迫力があると感じた物語やシーンの何が良いのかを分析して取り入れるなど、勉強をするしかないと思います。ご自身の努力なしでは成し得ない事かと思います。ただひとつだけ言えるのは、迫力につながるのは「リアリティ」や「臨場感」といったものではないかということです。


 今回は以上です。いろいろなご質問をいただき、応募者の皆さんが、何に悩み、何を苦労しているかの一端を知ることができました。創作の悩みのまだまだ一部だと思いますが、少しでもお役に立てていれば幸いです。

 また、先にもお知らせしたとおり、今回締め切りを延長しましたので、このコーナーの企画も延長いたします。質問受付締め切りが延長(4/15受付)されましたので、まだまだ質問をお受けします。さらに、急遽1次選考通過の皆様には評価シートを送らせていただくことにいたしました。少しでも多くの作家の卵の方々にご応募いただけることを期待しております。

(ファミ通文庫編集長)