夜に高熱を出した娘を連れて病院に車で駆け込んだことがある。道もすいていて当直医にスムーズに診てもらった▼災害拠点病院となる新県立中央病院に注目が集まっている。海沿いの予定地には東南海・南海地震の際、0.5~1メートルの津波・高潮が押し寄せるため、土地の1メートルかさ上げや液状化対策などを行うという。だが、東北地方では想定を超える大震災で機能が停止した医療機関も多く出ただけに、不安は残る。地震や津波で病院機能が失われないか、病院への道は大丈夫か……▼病院機能維持の可否を検討する県の会議が30日に始まる。会議ではあらゆる可能性、3カ月前なら「あり得ない」とされた事態をも想定した徹底的な議論を聞かせてほしい。【植松晃一】
毎日新聞 2011年5月28日 地方版