えんため大賞ラストスパートレクチャー!! 最終回

 いよいよ第13回えんため大賞小説部門の締め切りも5月23日(月)に迫ってまいりました。たくさんのご質問をいただけるのは喜ばしいのですが、この時期に基本的な事への質問や自分で調べれば分かるような質問が多くちょっと心配ですね。ともあれ、できるかぎりお答えしていきますよ。

①えんため大賞への質問
その年の新人賞をとったジャンルは、次回の新人賞で賞をとるのに敬遠されたりするのでしょうか? (たとえば、今年学園ミステリーが大賞をとった場合、来年の賞では学園ミステリー小説が二度続くということで、賞をとるのが難しくなるとか)
なるべく、近年賞をとったジャンルは避けて送った方が賞をとりやすいのでしょうか? 教えてください。お願いします。(テトリス)

 基本的には関係ありません。面白い、というのが最大の評価ポイントになりますので、ジャンルが前年とダブろうが面白ければ受賞できます。ただ、前年の受賞作品とネタがかぶるとか、真似と思われるようなものは当然ですが、オリジナリティに欠けるので評価され難くなります。
 また、あえていうなら、流行というのはあります。今のライトノベルシーンで読者に受け入れられている作品のタイプ、キャラクター像があるように、ジャンルとしても読者の好むものはありますので、面白い、という評価のほかに、最終的な決め手として読者のニーズのあるジャンルかどうかという考え方をすることもあります。

②えんため大賞への質問
こんにちは、えんため大賞への質問です。よろしくお願いします。
レクチャー第1回のなかに、「作家としての将来性という言葉」がありましたが、その将来性ということについて、年齢や投稿暦の長短が有利不利に働くというようなことはあるのでしょうか? 差し支えなければお教え願いたいと存じます。(須磨)

 年齢――選考途中では特に気にしていません(正確に言うと気にしないようにしています)。あくまでも作品を絶対評価で審査するからです。ただし、受賞作を決めるときには、将来性というポイントで見たときに、作家人生としての今後の展望を考慮し、若い書き手のほうが好ましいという結果になることはあります。
 投稿歴――これはあくまでもその人の経歴を知るために記入していただいているので、選考に影響することはありません。

③えんため大賞への質問
別の作品であれば、えんため大賞の結果発表前でも、他の文学賞に応募してもかまわないのでしょうか?(惑星)

 応募要項にあるように、同一作品の他の文学賞への応募を認めていないだけですので、別作品であれば、まったく構いません。

④えんため大賞への質問
レクチャー第1回で、ライトノベルらしい作品と書いてありましたが、ライトノベルらしい作品とは、どのような作品ですか!?(雙方夢叶)

 レクチャーの第1回で、1次選考で落ちる作品例として、ライトノベル向きではない作品、と書いてあることを指摘しているのであれば、簡単です。読者ターゲットが大人である作品、中高生(ライトノベルのメインターゲット)が読むのにふさわしくない、暴力、性的表現の激しいもの、歴史小説、戦記もの、自叙伝など。ですが、おそらく質問者が言っているのはもっと具体的なことなのでしょうね。ライトノベルは、「10代の読者が楽しく読め、共感できる、キャラクターノベル」ですので、そこに当てはまると思えばそれがライトノベルです。

⑤えんため大賞への質問
作品を完結させるにあたって、規定の枚数内でも作品ごとに長さがまちまちになると思います。その際に、やはり長い作品の方が評価されやすいのでしょうか。悩んでいるところなので、是非教えてください。(はるの祈里)

 規定枚数内であれば、長さで評価が左右されることはありません。

⑥えんため大賞への質問
質問なんですけど、ネットサイトの小説家になろうで書いた小説をそちらのえんため大賞に投稿してもよろしいですか?(ホワイトロック)

 応募要項にあるように、えんため大賞ではネット公開したものは発表済み作品として規定しておりますので応募できません。

⑦えんため大賞への質問
大賞や優秀賞を取った人はデビューすると書いてありますがそれは専門作家でデビューすると言うことですか? 本業をそのままに副業で作家デビューをしている方はいますか?(ダイヤのエース)

 現在の新人賞デビューの作家さんの半分は、兼業の方です。つまり、本来のお仕事をされながら時間を作って執筆をされています。


 以上です。最近は応募者に若年層が増えてきたこともあるのでしょうか。だいぶ初歩的な質問が多かったですね。自身で調べればわかることもありました。そういったことを自分で調べるという努力ができず常に他力本願でいると、作家としてやっていけないかもしれませんので、厳しいことを言いますが、常に努力をすることを怠らないことを、肝に銘じてより一層頑張ってください。
 えんためレクチャーはこれで終了です。長らくありがとうございました。また来年も企画を考えていきますので、企画内容にご要望がありましたらアンケートからお寄せください。それでは皆様のご武運を!

(ファミ通文庫編集長)