Check 2010年10月27日

僕の役柄はどうなるんだろう……

  • 堤真一
  • 堤真一
――ドラマ『SP』(2007〜2008年)は大きな話題になっていましたが、その人気の理由をどう思いますか?
【堤】  そうですね……。まず、僕が出演を決めた理由のひとつが、深夜枠だったので規制が少なくて、余計なものに縛られることがないという点です。若者たちが観る時間帯のドラマなので、映像的にも手法としても新しいことを取り入れられましたし、アクションのリアリティとともに、視聴者にとってもそのあたりが新鮮に感じられたのではないかな。あと、SPという職業がまだあまり知られていなかったので、そこへの興味もあったと思います。
――ドラマがヒットして、ゴールデンタイムの総集編2時間スペシャルを経て、いよいよ映画化ですが、堤さんが映画化の話を聞いたのはいつ頃ですか?
【堤】  ドラマ撮影の後半ですね。僕も実は、話を聞いて「えっ!?」という感じで(笑)。ドラマの映画化自体は、それだけ作品の人気があるわけだからうれしいことなんですけど、僕の役柄が一体どうなるんだろうと。「あれ、オレこんな役だったの?なんか裏があるんだ、この役……」というのがありましたね(笑)。(演じる)尾形は、岡田(准一)くん演じる井上のよき理解者で、SPという職業に対しても時代に適応した変化をしていくべきという主張をしていく人で、いい上司として存在しているんですよね。それが、映画化とかいろいろな話を聞くに連れ、“それだけではない”というのがみえてきて、正直、最初は驚きましたね。
――尾形は威厳があって、1つひとつの言葉に重みがあります。堤さんの容姿、雰囲気にピッタリで、プライベートでの姿もそうなのかと想像してしまいますが。
【堤】  まったく違います。僕は、あんな堅苦しく生きていないですよ(笑)。
――尾形の威風堂々とした歩き方も特徴的ですが、あれは演出ですか?
【堤】  もともと僕はあんな歩き方なんです(笑)。知り合いからは、遠くから歩いてきても、人ごみのなかでも、僕だとすぐわかるといわれますけどね。尾形に関しては、姿勢には異常なくらい気を使っていますけど、歩き方は意識しているわけではないです。
――堤さんのここ最近の役でも、仕事に情熱をかける男の役が多いですよね。
【堤】  そういう役が多いですね。あまりしゃべるほうではなく寡黙で。僕にそういうイメージがあるんですかね?
――そういう役を好んで選んでいるのではない?
【堤】  いえ、そういうことはありません。あと、弁護士とか学者とか……、なぜかそういう役が多いんですよね。こんどの舞台では物理学者の役なんですけど、普段は物理なんてまったく関わりがないですから、そこから勉強ですよ。

ちょっとしたご褒美のような感じ(笑)

  • 堤真一
  • 堤真一
――『SP』の尾形の役作りではどういうことをしましたか?
【堤】  SPという職業の情報を得ることと、実際の映像で、今まで気にしていなかったSPの人たちを意識して観るということですね。下調べが必要な職業というのは、それを勉強したり取材したりすることで、役者自身が楽になり、余裕をもって演技ができるようになるんですよ。役作りというより、役が見えてくるということです。あとは、脚本がなにを求めているか、僕にどういう立ち位置にいてほしいのかを探して、役を見つけていきました。
――『SP』の撮影現場が、ほかの現場と違うところはありましたか?
【堤】  若いスタッフが多いせいか、スポーツをやっているような体育会系の雰囲気でした。撮っている内容はかなりハードなアクションが多いんですけど、それを一つひとつクリアしていくことで、役者だけでなくスタッフみんなが少しずつ自信をもっていって、現場に自信が満ちあふれていく状態が続いていました。成長といういい方は失礼かもしれませんが、現場そのものというか、シーンとして成長していっている感じがすごくしました。岡田くんがしんどいこともサラっとやってのける人なので、それがスタッフにもすごく影響していたみたいで。元気のあるいい現場でしたよ。
――堤さんからみた岡田さんの人物像は?
【堤】  非常に男らしい人ですよ。周りに対しても自分に対しても課しているものがあって、すごく自分にストイックなところがあります。寡黙なんですけど、決して暗いわけではなくて。日本男児ですね。もちろん俳優としてのひとつの作品に対する関わり方はすごいなと思うし、人としてもすごく素敵ですよね。周りの人たちにいい影響を与えていて、一緒にいて安心できる人かな。
――『SP』は、堤さんにとってどういう作品ですか?
【堤】  なんだろうなぁ〜。初めは、岡田くんと(原案・脚本の)金城(一紀)さんがこういうのをやりたいといっていて、それに少しでも力になれればと思って参加したドラマなんです。それが、思わぬ役回りというか、ドラマをやっている間にどんどん役が大きくなっていって(笑)、それなりに評価をいただいて。役者の駆け出しの若い頃に、いい芝居をして出演シーンを少し増やしてもらったような、ちょっとしたご褒美のような感じの仕事ですね(笑)。こんなふうに大きな役になるとは思っていなかったので、ちょっとビックリしている部分があります。
インタビュー「役者としてのすべて」へ

(撮り下ろし写真:原田宗孝)

PROFILE

  • 堤 真一
  • 1964年7月7日生まれ。兵庫県出身。
  • 舞台俳優として、デヴィッド・ルヴォー、野田秀樹蜷川幸雄など名演出家による数多くの舞台に出演し、実績を積む。1996年『弾丸ランナー』で初主演。以後、日本を代表する演技派俳優として第一線で活躍を続ける。最近の出演作は、『クライマーズ・ハイ』 『容疑者Xの献身』(2008年)『孤高のメス』『SP 野望篇』(2010年)『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(2010年12月公開予定)『プリンセス トヨトミ』(2011年公開予定)などがある。
  • 11月2日〜28日、世田谷パブリックシアターにて、草なぎ剛との2人芝居『K2』に出演する。

堤 真一

SP 野望篇

ストーリー:
内閣総理大臣を狙ったテロと官僚の謎の自殺。そして尾形の衝撃の発言「仕方がないだろ。大義のためだ……」。1ヶ月が過ぎ、東京の街は何事も無かったかのように毎日が過ぎていたが、そのウラでは、日本という国家のシステムを根底から揺るがすようなテロが企てられていた……。公安の目をかいくぐり、不穏な動きを見せる与党幹事長・伊達など、国家要職を担うキャリア官僚たち。脅威の存在を四六時中シンクロしてしまう井上。さらにテロリストの魔の手は、笹本、山本、石田ら第四係のメンバーにも襲い掛かることに!?
衝撃の発言をした尾形の真の狙いは?彼は味方なのか?敵なのか?ついに井上と尾形は、あの惨劇の駅前広場で向き合うことになる。 監督:波多野貴文 出演:岡田准一 真木よう子 香川照之 松尾諭 神尾佑 堤真一
2010年10月30日(土)全国東宝系ロードショー
(C)2010「SP」プロジェクトチーム

堤 真一

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