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【社会】

大震災40分前、上空の電子が異常増加 直前予知に有望

2011年5月28日 09時20分

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 マグニチュード(M)9・0を記録した東日本大震災の発生40分前に、東北地方の上空約300キロにある「電離圏」の電子が異常に増えていたことを、日置(へき)幸介北海道大教授が衛星利用測位システム(GPS)の電波から突き止めた。日本地球惑星科学連合大会で27日に発表した。他の巨大地震でも同じ現象が見られ、地震の直前予知に役立つ可能性がある。

 GPS衛星からの電波は、電離圏で電子の影響を受ける。電子の数が多いほど影響も大きい。日置教授は、国土地理院のGPS記録を大震災の前後について調べた。

 その結果、発生約40分前に震源300〜400キロ内の上空で電子が増え始め、最大で1割ほど増加していた。電子は地震発生後すぐ元に戻った。増加の仕組みはまだ分かっていない。

 チリ地震(2010年、M8・8)、スマトラ沖地震(04年、M9・1)、北海道東方沖地震(1994年、M8・2)の直前にも、GPS記録から電子の増加が確認された。

 地震規模が大きいほど増加幅も大きく、M8以下の地震では増加は見られなかった。

 日置教授は「M9級地震の直前予知に有望。GPS記録を使って簡単なソフトで分析できるため、誰でも検証できる」と話す。

 今後は、地震以外で今回のような増加が起きないことを1年かけて確認するという。

(中日新聞)

 

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