山梨大医学部付属病院(中央市、島田真路院長)は、毎週火曜の夜間、命の危険はないが入院が必要な2次救急患者の受け入れを始めた。同様の患者に輪番で対応している他病院の負担を軽減し、研修医の教育に役立てる狙いがある。
同付属病院はこれまで、命の危険がある3次救急患者については、県立中央病院と共に受け入れてきた。2次救急患者については、「特定機能病院」として先端医療を受ける患者の病床を確保するため受け入れていなかった。
しかし、2次救急に対応できる医師は全国的に不足。甲府市や中央市など峡中地区では、夜間や休日は11病院が輪番で2次救急患者を受け入れており、同付属病院もこうした病院の負担軽減のため受け入れを決めた。今後の輪番への参加を目指している。
また、同病院の研修医は、2次救急への対応を学びたいとのニーズが高く、機会を求めて他の病院に流れている実態が、研修医への調査で判明した。同病院は研修医の減少に悩んでおり、待遇改善などと共に研修医確保策の一環として、2次救急患者を受け入れることにした。
2次救急患者が搬送されれば、指導医4人が患者に対応しながら研修医2人を指導。この様子を別室で医学部生が見学し、対応を議論して学ぶ機会も設けている。なお、入院した患者の理解を得て早めの退院を促し、先端医療を希望する患者を十分に受け入れるよう配慮する。
松田兼一・同病院救急部長は「研修医に複数の指導医で手厚く指導できるうえ、学生も熱心に見学している」と話している。【岡田悟】
毎日新聞 2011年5月28日 地方版