近代美術教育の原点として開校
世界に巻き起こった、モダンデザインの中核を担ったバウハウス運動。その影響を色濃く受けて誕生した大阪市立工芸高等学校の本館は、大阪のバウハウスと呼ぶにふさわしい、モダンな建築デザインと感性を誇っています。
学校建築の最高峰として、大阪市の文化財に登録されている大阪市立工芸高等学校は、大正13年、新しいデザイン教育の中心であった、ドイツ・ワイマールの工芸学校を参考に、大阪市営繕課の新進気鋭の技師たちが設計したといわれています。
1・2階の外壁はレンガ積みで、玄関入口の大アーチが正面を引き立てています。3階は優美な曲線のマンサード風の屋根がかけられ、教室の窓で区切ることで、曲面の美しさを一層際立たせるなど、外観全体が極めて特徴的なデザインになっています。屋根上にはシンボルの時計台がそびえ、アールヌーボーの建築様式をより一層印象づけています。
講堂の後部出入口に飾られていたステンドグラスは、現在は校長室に飾られ、その美しさは見る者の心を和ませてくれます。
大阪が近代都市へと発展する中で、大阪の美術界にも、大きなうねりが押し寄せていました。当時、大阪では優れた商業美術家(グラフィックデザイナー)が多く、時代の先端で活躍していました。
教育においても、生徒の自由な創造性と感性を育てようと、新たな教育方法が模索され、大阪市もその重要さを認め、市立工芸高校の開校を決定したのです。それは、柔軟な発想力と先見の明に満ちた判断でした。
緑あふれる美しい中庭を囲んで、今も次代のクリエイターをめざす生徒たちが、アートやデザインを学んでいます。これからも、多くの優れた芸術家やデザイナーを輩出し、日本の近代化に貢献したモダン都市大阪を世界にアピールする拠点となることでしょう。
大阪市阿倍野区区役所総務課総合企画グループ
住所: 〒545-8501 大阪市阿倍野区文の里1丁目1番40号(阿倍野区役所2階)
電話: 06-6622-9683 ファックス: 06-6622-9840
Copyright (C) City of Osaka All rights reserved.