津波による塩害で稲が栽培できなくなった田んぼで、土壌の塩分が高くても育つとされる綿花を栽培する取り組みが宮城県名取市で始まりました。
綿花の栽培は、被災地を支援しようと大阪の靴下メーカーが始めたものです。津波による塩害で稲が栽培できなくなった名取市にある農業生産法人の田んぼでは、27日、津波で運ばれた泥を取り除いたうえで種がまかれました。綿花は、塩分が比較的高くても育つほか、土壌の塩分を吸収するということです。この会社では、農業生産法人と共同で綿花を栽培し、土壌の塩分が稲作が可能な水準に戻るまで取り組みを続ける計画です。綿花は、順調に育てばことし10月ごろ収穫できるということで、会社では輸入品の3倍程度の価格で買い上げ、靴下にして販売することにしています。靴下メーカーの島田淳志シニアエキスパートは、「コメが作れない間、農家の仕事がなくなるので、綿花を育てる仕事を提供して支援したい」と話しています。