麻薬取締法で栽培が禁止されているケシが、ポピーとして本県など19都県の量販店で販売されていたことが26日、東京都の調査で分かった。都や県が回収を呼び掛けている。
都によると、都民から18日に「ハカマオニゲシと思われる植物が民家の庭に生えている」と情報があった。都が所有者から任意提出を受けて鑑定した結果、麻薬成分が検出され、麻薬取締法で規制されているハカマオニゲシと確認した。
都が流通経路を調査したところ、福島県南相馬市の園芸業者で栽培され、新潟市の「コメリ」が運営する量販店「コメリホームセンター」の19都県の店で「オリエンタルポピー」として販売されていたことが判明した。赤、白、ピンクが計2349鉢販売されたが、ハカマオニゲシは赤だけという。
園芸業者とコメリは都の調査に対し「ケシとは知らなかった」と説明。都によると、苗の段階ではポピーと酷似しているという。
販売されたハカマオニゲシは、花びらが深紅色で花の付け根に黒紫色の鮮明な斑点があり、つぼみには硬く伏せた毛があるのが特徴。
県薬務課によると、県内で販売していたのはコメリホームセンター石下店(同市本石下)。28鉢を仕入れ、全て販売されたという。
県は回収を始め、同店に対し、購入者への注意喚起文書の掲示を指示。さらに発見した場合や、廃棄の場合であっても連絡を求めている。都や同課はホームページに写真を掲載した。
問い合わせは県常総保健所TEL
0297(22)1351または同課
029(301)3388。