父親の遺産のうち約60億円を自宅に隠し、約29億円を脱税したとして相続税法違反の罪に問われた大阪市生野区の会社役員、清水初枝(本名・李初枝)被告(67)に対し、大阪地裁(横田信之裁判長)は25日、懲役2年6月、罰金5億円(求刑懲役4年6月、罰金10億円)の判決を言い渡した。相続税の脱税額としては過去最高。
判決によると、清水被告は、04年10月に死亡した父親の遺産を親族らと相続する際、実際の遺産合計額は約78億8000万円だったのに、現金約60億円を自宅に隠したうえ、05年8月と06年1月、税務署に約16億7000万円と過少申告し、約28億円を脱税した。
清水被告の父親は不動産業を中心に複数の企業を経営し、多額の財産を残したという。清水被告は「預金口座には家族の役員報酬も含まれていて、すべてが相続税の対象になるとは思わない」と主張し、起訴内容の一部を争っていた。【苅田伸宏】
毎日新聞 2011年5月25日 大阪夕刊