事件・事故・裁判

　新聞発行部数に関する週刊新潮の記事で名誉を傷つけられたとして、読売新聞東京、大阪、西部の３本社が、発行元の新潮社と筆者のフリーライター、黒藪哲哉氏に計５５００万円の賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は２６日、両者に計３８５万円の支払いを命じた。村上正敏裁判長は「週刊新潮側の調査は正確性に疑問があり、客観的裏付けもない」と述べた。

　判決によると、同誌０９年６月１１日号は「『新聞業界』最大のタブー　『押し紙』を斬る！」との見出しで、「発行部数の３０～４０％が（配達部数を超えて販売店に売る）『押し紙』で、年間約３６０億円の不正収入を得ている」との内容の記事を掲載した。

　村上裁判長は取材方法などから「『押し紙』の存在を認めることはできない」と指摘した。謝罪広告の掲載は認めなかった。【和田武士】