2011年5月27日22時3分
農林水産省は27日、野菜や果実が成長段階で土中の放射性セシウムを吸い上げる比率を公表した。イモ類で高く、果実は低かった。農水省は「土壌検査で高い濃度のセシウムが検出された畑では、イモ類などが収穫時に基準を超える恐れがある」としている。
公表されたのは、野菜や果樹が土壌からセシウムを吸い込み、収穫時に実などの食べられる部分に移る比率(移行係数)。本格化する夏野菜の作付けを前に、農水省は作物が根からセシウムを吸い上げることに注目。汚染された作物が生産・流通する危険性を減らし、収穫・出荷時の検査の必要性を判断するために、主に海外で得られたデータから比率を公表した。対象は野菜類17品目と果実類4品目。
比率は、品目ごとの平均値と、それぞれの最小値と最大値を示した。最大値でみるとサツマイモは0.36、ジャガイモは0.13と高く、葉物野菜や果実などは低かった。
土壌がセシウムに汚染された度合いに、移行係数を掛け合わせれば、収穫の際の作物の汚染の可能性がわかる。例えば、土壌調査でセシウムが土1キログラムあたり5千ベクレル検出された畑では、比率を最大の0.36で考えると、収穫時のサツマイモは1キログラムあたり1800ベクレル吸い込んでいる可能性がある計算になる。食品衛生法による野菜でのセシウムの基準は、同500ベクレルだ。
福島県と農水省が4月、東京電力福島第一原発から半径30キロ圏外の畑で行った土壌調査では、計画的避難区域の飯舘村、川俣町に加え、区域外の大玉村、二本松市、本宮市で同5千ベクレル前後のセシウムが検出された。
福島第一原発事故で放出されたセシウムは、周囲の畑の表層にあるとみられる。だが、作付け前に畑が耕されると土中に混じるため、農水省は深さ15センチ程度まで調べる必要があると判断。半減期が30年と長いセシウム137について、海外の畑の地表10〜20センチを対象としたデータのうち、日本に気候が近い国のものを集めた。今回公表された比率は、福島県に限らず全国の土壌で適用される。
農水省は、「データの数が限られるため、比率はあくまで参考値。どの品目を作付けするかは地元自治体や各農家で判断して欲しい」としており、イネで実施した作付け禁止の指示は行わない。野菜・果実もコメ同様に収穫時に検査し、基準を超えた場合は出荷を止める方針だ。公表された比率についての問い合わせは農水省農産安全管理課(03・3592・0306)。
農水省は4月、コメについて、移行係数から作付け可否を判断するうえでの指標を0.1と設定。同5千ベクレルを超えた水田での作付けを禁じている。(大谷聡)
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