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談合:容疑で2人逮捕 倉敷市の下水工事、入札25社を主導 /岡山

 倉敷市の公共事業をめぐり談合したとして、県警組織犯罪対策2課などは25日、倉敷市の建設会社「榊原建設」代表取締役、榊原修容疑者(47)=同市福井=と同社元営業部長、千田広行容疑者(56)=同市広江5=を談合の疑いで逮捕した。2人は、容疑を否認しているという。

 逮捕容疑は、昨年8月23日に開札された倉敷市福田町古新田の下水道埋設工事で、入札に参加した25社の代表者らと談合したとされる。参加業者は、落札する業者をあらかじめ決め、落札を狙う業者が一番安い値段で入札するよう打ち合わせており、2人が主導したとされる。

 倉敷市の公共事業では、落札価格が予定価格の95%を超えると公正な競争だったかを確かめるため、市の調査が入る。この工事の落札価格は3570万円で、予定価格3765万6150円の94・8%だった。

 25社が集中する地区では、昨年1月~10月の間に27件の下水道管埋設工事があり、うち25件で落札率が94%台だった。県警は昨年11月、榊原建設を含む31社を談合の疑いで捜索。談合に暴力団が関与している疑いが浮上しており、県警は、談合で得た利益の一部が暴力団に流れたとみて調べている。

 ◇「入札制度を検証」倉敷市、事件受け

 建設業者が逮捕されたことを受け、倉敷市は26日、総務局長名で「大変遺憾」とするコメントを発表した。業者は、市の要領で指名停止の対象となり、近く市建設工事入札指名等委員会(委員長・三宅英邦副市長)を開いて停止期間を決定する。

 同市は「入札制度を否定するもので、許されない」とし、「再発防止を徹底するため、入札制度の検証を行う」としている。

 同市は、昨年10月に県警が談合の疑いで市内の数十業者を強制捜査したことを受け、同12月に土木工事の一般競争入札の参加資格を変更し、競争率を1・5倍程度高めた。市によると、今回、問題となった地区では下水管埋設工事の予定価格に対する落札率は大半が94%台だったが、変更後は80%台前半に低下し、「効果があった」としている。【小林一彦】

毎日新聞 2011年5月27日 地方版

 
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