釜石市は、東日本大震災後の地域医療復興策として、同市鵜住居町に内科と外科の医師計3人が常駐する、医療モールの建設を計画している。7月中にも着工し、早ければ10月から診療を始める。
市健康推進課によると、医療モールには、津波で診療所が被災した内科の開業医2人が勤務し、県立釜石病院から外科医1人を招く。主に周辺に建設された仮設住宅約500戸の入居者の診療を担う予定という。施設は鉄骨平屋建てで、延べ床面積は約600平方メートル。新日鉄エンジニアリング(本社・東京都品川区)が建設し、費用も同社が負担する。
同市内では震災前に6カ所あった診療所のうち、仮設に移るなどして診療再開できたのは26日現在、2カ所にとどまり、市外から派遣された応援医療チームが引き揚げた後の地域医療の充実が課題となっている。市の担当者は「住人がかかりつけ病院を持てるよう通常の医療体制の確保が欠かせない」と指摘する。【宮崎隆】
毎日新聞 2011年5月27日 地方版