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民主党の小沢元代表、管首相と対決姿勢鮮明―原発危機対応で


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 【東京】日本政界の陰の実力者、小沢一郎・民主党元代表はウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、福島原発危機への政府の対応には問題があるとして、長年ライバル関係にある同党の管直人首相と対決する構えを示した。

小沢一郎氏 Associated Press

小沢一郎氏

 日本政府は現在、史上最悪の複合災害となった原発事故を封じ込め、低迷する経済を回復させようと懸命な努力を続けている。そんな状況の中で、与党民主党の実力者から政権批判が出ること自体、同党内の対立がいかに深刻であるかを物語っている。

 小沢氏は資金管理団体「陸山会」の収支報告書虚偽記入事件で、政治資金規正法違反で強制起訴されている。 同氏は、この事件について、改めて裁判で争う姿勢を強調した。裁判は年内に始まる見通しだ。

 裁判を控え、同氏がインタビューに応じるのはまれだ。同氏はインタビューの中で、日本政治の新時代への道を開くために、管首相は辞任すべきだと主張した。

 有権者の一部の層には依然として受けがよい同氏は、そのような変革をもたらす媒介役を務めようと考えており、「私はもう老兵だから。『老兵は消え去るのみ』というマッカーサー元帥の言葉はご存じだろうか。消え去ろうと思っていたが、もう一仕事やらねばならないとは思っている」と意欲的な姿勢を見せた。

 チェルノブイリ以来で最悪の原発事故から2カ月あまりが過ぎたものの有効な解決策を打ち出せない政府に対して日本国民は「不安と不満を募らせている」と、小沢氏は指摘する。その上で、「政策の実行ができないのなら、総理をやっている意味がないでしょう。一日でも早く変わった方がいいと思う」と、管首相の退陣を求める見解を示した。

 主要8カ国首脳会議(G8サミット)に出席するためフランスのドービルを訪れている菅首相に同行している福山哲郎内閣官房副長官は、こうした小沢氏の姿勢に「それぞれの政治家にはそれぞれの考えや意見がある。しかし残念だ」と遺憾の念を表明した。

 党内で小沢派からの攻勢が激しさを増しているにもかかわらず、菅首相は同氏に震災復興のため一段と大きな役割を演じてもらいたい意向を示唆している。震災では小沢氏の選挙区も被害を受けている。

 小沢氏は、同首相の後任候補について、特定の名前を挙げず、またこれまで何度も逃してきた首相の座を自ら目指す意志があるかどうかも明言しなかった。同氏は首相となるべき人の条件については明確な考えを持っており、「困難、危機の時だから、それにふさわしい人を選び、ふさわしい政権を作るのだ」と語った。 

 同氏は起訴以来、表舞台にはほとんど登場していない。昨年9月に民主党代表選で菅氏に挑んで以来、同氏が主要メディアのインタビューを受けるのは初めて。同氏はこのとき4割の票を獲得した。

 3月11日の大震災以降、短い政治的休戦の後、野党は今また、管内閣に対する不信任決議案の提出を検討しており、民主党内で管首相に批判的な議員の協力を模索している。こうした状況で小沢氏は政権批判に乗り出した。

 不信任決議案の提出を支持するかという質問に対し、小沢氏は「それはどうするか、よく考えているところだ」と述べた。

 起訴にもかかわらず、民主党内には依然として同氏を支持する議員も多い。特に、2009年の衆院選の初当選した議員の中に小沢氏に恩義を感じている議員が多い。同選挙で民主党が大勝利を収めたのは同党の選挙参謀を長年務めてきた小沢氏の力によるところが大きい。24日に開かれた同氏の69歳の誕生日には、約160人の国会議員が詰めかけた。

 しかし誰にでも好かれる人物ではない。コロンビア大学の日本政治学者、ジェラルド・カーティス教授は、菅政権が有能だとは言い難いとした一方、「狭量な政治家たちによるレベルの低い主導権争いは、国民をうんざりさせるだけだ」として、こうした政争は日本が直面する問題を軽視している印象を与えると述べた。

同教授は、「小沢氏に首相の目はない」と述べ、「彼は政治的混乱をあおり、事実上、民主党を分裂させる。それが彼のやっていることだ」と批判した。

 小沢氏は管政権の原発危機対応を非難し、危機収束への取り組みに関連して緊縮財政の推進を一時中断することを提案。放射能汚染の阻止が優先課題であるとし、「金の話じゃない。日本が潰れるか、日本人が生き延びるかどうかという話だ」と述べた。「金なんぞ印刷すればいい……国民はよく理解してほしい。国債でやれば借金だし、いずれ償還分は払わなくてはいけないが、復旧に必要なことはお金がどれくらい掛かっても何としてもやらなくてはならない」と語った。

 民主党が政権を奪取したとき旗印の1つだった官僚批判は、この数カ月影を潜めている。小沢氏は、これを民主党の支持率低下が背景になっているとみる。

 政治家と官僚の相互依存関係を打ち破るため、「民主党政権がもう少し愚直に政治に取り組んでくれることを期待したい」と述べた。

 また、自民党による50年の支配の後、民主党が、同氏の理想とする二大政党制を作り出すほどに十分に強くなれなかったことが残念だと述べた。

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