東京電力福島第1原発事故で1号機への海水注入が55分間中断した問題で、経済産業省原子力安全・保安院は26日、海水注入の準備を知らせるファクスを東電が保安院だけでなく、菅直人首相を直接補佐する内閣官房にも送信していたことを明らかにした。菅首相は23日の国会答弁で「(注水開始の)報告がないものを『やめろ』と言うはずがない」と否定しており、政府内での情報共有のあり方が改めて問われそうだ。
保安院によると、海水注入について、3月12日午後3時20分ごろ、東電からファクスで保安院に伝えられた際、内閣官房にも同時にファクスで連絡されていたことを東電と官邸に確認したという。ファクスに記載されている宛先は、危機管理に関する情報を一元的に集約する内閣情報集約センターと、福島県や原発のある市町村だった。【河内敏康、比嘉洋】
毎日新聞 2011年5月26日 12時56分(最終更新 5月26日 13時51分)