子ども手当:「つなぎ法案」年度内成立の見通し

2011年3月30日 22時42分

 政府が30日、0~2歳に限り月額7000円増額する11年度の子ども手当法案撤回を決めたことで、現行の子ども手当を半年間延長する「つなぎ法案」の今年度内成立の公算が大きくなった。半年経過後の制度については与野党間で協議するが、野党が参院の多数を握る現状では政府・民主党側が譲歩せざるを得ず、月額一律1万円とする公明党案を軸に検討が進む見通しだ。

 つなぎ法案は、現行同様、15歳以下の子ども1人当たり月額1万3000円の支給を9月まで継続する。2~5月分を6月に、6~9月分を10月に支給する。東日本大震災の被災地をはじめとする市町村の事務負担増を考慮し、給食費や保育料を天引きできるようにする、11年度法案に盛り込まれていた改善点の実施は見送った。

 今後は10月以降の手当の扱いが焦点になる。つなぎ法案には旧児童手当復活による混乱を回避する大義名分があり、一部野党の協力も取り付けてギリギリ成立の見通しが立った。しかし、恒久制度とするには「安定多数」を確保することが必要となる。

 そこで政府・民主党が目をつけたのが公明党だ。同党は29日、15歳以下の子ども1人当たり月額1万円支給▽震災被災地を除き旧児童手当と同水準の所得制限(夫婦2人、子ども1人の世帯で年収約820万円)を実施--を柱とする案を公表した。旧児童手当の対象は「12歳以下」だったが、公明案は「15歳以下」と子ども手当と同じ。ただし、所得制限が掛かることで、民主党が主張してきた「すべての子どもの育ちを社会で支援する」との理念からは大きく後退することになる。【鈴木直】

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