放射性物質:飯舘で避難基準下回る…IAEA、追加測定

2011年4月2日 11時36分

 【ウィーン樋口直樹】福島第1原発事故を巡り、避難区域外の福島県飯舘村で国際原子力機関(IAEA)の避難基準を上回る放射性ヨウ素131が測定された問題で、IAEAは1日、追加測定の結果、平均値が避難基準を下回ったと発表した。サンプル数の増加によってより平準化されたとみられるが、なお継続的に注視する必要があるとしている。

 IAEAによると、飯舘村で3月19~29日に採取された15地点の土壌サンプルを測定した結果、ヨウ素131の平均値は1平方メートル当たり約700万ベクレルで、IAEAの避難基準のひとつである1000万ベクレルを下回った。ヨウ素131の半減期は約8日。15サンプルには、60万~2000万ベクレル超の幅があったという。

 IAEAは3月31日、飯舘村で約2000万ベクレルのヨウ素131を検出したと発表。1カ所のみの測定値だったため、追加調査が必要としていた。飯舘村は福島第1原発から北西へ約40キロ離れ、日本政府が設定した避難区域(原発から20キロ以内)や屋内退避区域(同20~30キロ)の外側にある。

 一方、IAEAは1日、日本政府との合意に基づき、新たに沸騰水型軽水炉の専門家2人を日本へ派遣すると発表した。4日以降、原子力安全委員会などと意見交換するほか、現状と対策に関する「1次情報」を入手したいとしている。

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