トップ |佐賀県内ニュース | ||
玄海原発再開は6月議会で判断 古川知事、慎重に判断 | ||
福島第1原発事故後、初の論戦となった25日の臨時佐賀県議会。九州電力玄海原発2、3号機の運転再開問題について、古川康知事は「6月には県議会の特別委員会や定例議会がある。論議をしっかり聞いた上で決めたい」と述べ、九電が求める「地元の合意」について慎重に判断する考えを示した。
県議は、国内で最も早くプルサーマル導入を事前了解した古川知事に、福島の事故で原発に対する見方が変化したかを質問。古川知事は「安全神話が崩れたかと言われれば、そうだ。原発は未完成な技術で、内在したリスクがはっきり見えた。厳しい目でチェックする必要がある」と答えた。
宮崎泰茂(市民リベラル)、徳光清孝(県民ネットワーク)、伊東猛彦(自民)、武藤明美(共産)の4議員が質問した。主な質疑は次の通り。
▽原発への認識
-福島第1原発事故で原発への認識はどう変わったか。
知事 原発は国が規制しており、大きな事故は起きないと思っていたが、リスクが現実になり、多くの方が被害を受けた。CO2や電気料金の削減のために原発は必要と思ってきたが、今回の事故で、より高い安全性や透明性が求められるようになった。
▽エネルギー政策
-知事はエネルギー政策について国民的な議論が必要と言うが、知事自身の立場はどうなのか。
知事 原子力に依存しなくても、みんなが暮らしていける社会を目指すのが理想。ただ、わが国は一定のベース電源が必要で、エネルギー政策に責任を持つものとして、替わる答えを見つけなければならない。原発立地県の佐賀としては太陽光や風力など、再生可能エネルギーに力を入れなければならない。
▽玄海原発の再開時期
-玄海原発2、3号機の再開のための「地元の同意」は、どの段階で判断するのか。
知事 緊急安全対策は津波対策だけで、地震が事故に影響があったのか、明確な説明はない。今の状態では地元の理解を得られていない。私自身もどう判断するか、道筋はまだだ。6月には原子力安全対策の特別委員会や定例議会があり、しっかりと議論をなされると思う。それを頭に置いた上で判断したい。
▽プルサーマル
-停止中の玄海3号機はプルサーマルを行っているが、安全面、必要性を考えればこのまま止めてもいいのでは。
知事 今の安全対策は、ウラン燃料かプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料かどうかではなく、原発そのものについて議論を行っている。今回の事故を受けた緊急安全対策で、プルサーマルを含むところの国の見解をしっかり確認したい。 |
||
2011年05月26日更新 |