2011年4月1日 10時16分
【ワシントン斉藤信宏】31日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、中東・北アフリカ情勢の悪化懸念や対ユーロでのドル安が進行したことなどを受けて急上昇。指標である米国産標準油種(WTI)の5月渡しは、1バレル=106.72ドルまで上昇し、終値ベースとしては08年9月26日(106.89ドル)以来約2年半ぶりの高値で取引を終えた。
リビア情勢の先行きを見通せない状態が続いているほか、シリアやイエメンなど中東各国に政情不安が拡大したことで、投資家の間に原油の供給に対する不安が広がった。また、欧州中央銀行(ECB)の利上げ観測が強まったことを受けて為替相場でドル安・ユーロ高傾向が続いており、ドル建てで取引されている原油価格に割安感が出ていることも影響した。
一方、同取引所の金先物相場も急伸。指標となる6月渡しの終値は前日比5.00ドル高の1オンス=1439.90ドルとなり、終値ベースの過去最高値を更新した。ECBの利上げに対する警戒感が強く、安全資産として金が買われた。