東日本大震災:県外ボランティア「まだ無理」 岩手

2011年3月31日 19時58分 更新:3月31日 20時2分

足湯ボランティアのやり方を学ぶ地元のボランティアたち=岩手県遠野市の同市総合福祉センターで、2011年3月31日午前9時50分ごろ、清藤天撮影
足湯ボランティアのやり方を学ぶ地元のボランティアたち=岩手県遠野市の同市総合福祉センターで、2011年3月31日午前9時50分ごろ、清藤天撮影

 東日本大震災から3週間になるが、岩手県内の沿岸市町村の災害ボランティアセンター(VC)は県外からの個人ボランティアについて「原則受け入れない」という姿勢を31日現在変えていない。燃料・食料不足や被災地の危険さなどが理由だ。延べ約137万人が活躍した阪神大震災以降、被災地でのボランティアの姿は普通になった。「ボランティアの力は必要だ」との声はあり、受け入れ開始が待たれている。

 県内の災害VCは24日までに遠野、宮古、久慈3市を拠点とし、14市町村にボランティアが入る仕組みを整えた。炊き出し、支援物資の仕分け、足湯ボランティアなどに延べ8501人(30日現在)が従事したが、ほとんどは岩手県民だ。

 県災害VCを運営する岩手県社会福祉協議会のホームページでは23日付の「おしらせ」で、沿岸市町村の災害VCごとに「現地の混乱を招く恐れがありますので、県外からの訪問はご遠慮ください」と告知している。

 県や県社協によると被災地は燃料、食料、宿泊場所が不足し通信状態もまだ悪い。がれきも多く危険だ。活動拠点を自力で設け、車と燃料を用意して、31日から県内に入った団体はあるが「多くの人を受け入れられる状態にない」という。県社協には1日に100件以上の問い合わせがあり、担当者は「状況が改善するまで待ってもらっている」と話す。

 一方、宮城、福島県は部分的ながら受け入れが進む。宮城県は28日ごろから受け入れ、比較的被害が小さかった地域で家財道具や泥の片づけといったニーズが増えてきたためだという。30日に結成された東日本大震災支援全国ネットワークの栗田暢之(のぶゆき)代表世話人は「今は準備期間と受け止めているが、ボランティアは必要だ。現地に入るタイミングを調整したい」と話す。【清藤天】

top
文字サイズ変更
このエントリーをはてなブックマークに追加
Check
この記事を印刷

PR情報

スポンサーサイト検索

アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド